インフルエンサーとして若い世代のゴルファーから大人気のルイゴルフさんが、最新クラブから自分に合ったモデルを探す連載企画。サポートしてくれるのはギアに精通したゴルフライターとしてさまざまなゴルフメディアで活躍する鶴原弘高さんです。今回はプロギアの新作「RS X 」シリーズのドライバー3モデルを打ってみました。

はやりの「MAX」モデル

 インフルエンサーとして若い世代のゴルファーから絶大な人気を誇るルイゴルフ(大塚塁)さんは、インスタグラムのフォロワーが6万人を超えており、スコアを50日で100切りした方法は大きな話題になりました。

 そんなルイゴルフさんが、最新クラブから自分に合ったモデルを探す連載企画。サポートしてくれるのはギアに精通したゴルフライターとしてさまざまなゴルフメディアで活躍する、ツルさんこと鶴原弘高さんです。今回は、2024年7月12日に発売されるプロギアの新作「RS X」シリーズのドライバー3モデルを打ってみました。

プロギアの新作ドライバー「RS X」シリーズ
プロギアの新作ドライバー「RS X」シリーズ

【ルイゴルフさん】※以下【ル】 プロギアから発売される新モデルに「MAX」がありますね。

【鶴原さん】以下【ツ】 今年のドライバーは完全に「MAX」がトレンドワードです。ピンやテーラーメイド、キャロウェイ、ミズノ、ブリヂストン、そしてプロギアまで「MAX」というモデルがあります。

【ル】やっぱり慣性モーメントが高いということですか?

【ツ】もちろんです。ただし、プロギアは全体のバランスや振りやすさにもこだわっているので、10K(慣性モーメントが1万g・cm2)ほどではないと思います。

 早速「RS X」シリーズの1つ「RS MAX」を打ってみたルイゴルフさん。他メーカーの「MAX」と比べて構えやすかったと言います。

【ツ】他メーカーには投影面積をルール限界まで大きくしているモデルもありますが「RS MAX」はそこまで極端な形状ではなくオーソドックスな丸型を継承しています。

【ル】打つと、やっぱり曲がりませんね。当たった瞬間に「危ない!」と思っても、打球は「セーフ」みたいな感じです。ミスヒットに対する強さは十分でした。

【ツ】打球の方向は良かったですね。ただし、スピン量が2500〜3000回転くらいになってしまったので、ヘッドスピードのわりには飛距離が出ていませんでした。そこがもったいなかったですね。

【ル】えっ、もっと飛ばせるポテンシャルがあるんですか?

【ツ】プロギアは「ギリギリ」というキャッチフレーズで高初速にこだわっているので、実力はこんなものじゃありません。

打感と音が良かったという「RS」モデル

「もっと飛ばせるはず」ということで、次にルイゴルフさんには「RS X」シリーズの「RS」というモデルを打ってもらいます。これはどのような特徴があるのでしょうか。

プロギア「RS X」シリーズを試打するルイゴルフさん
プロギア「RS X」シリーズを試打するルイゴルフさん

【ツ】3モデルの中では最もスタンダードなヘッドです。歴代の「RS」シリーズは「RS」と「RS F」の2モデルでしたが、より万人向けなのが「RS」です。

【ル】すごく打感がいいし、音が気持ちいいです。でも全体的に右方向に飛んじゃいました。

【ツ】ヘッドというよりもシャフトがルイゴルフさんには合ってないです。ヘッドスピード47メートル/秒くらいあるルイゴルフさんだと、50グラム台前半の純正シャフトは軽くて、しなりすぎてしまう。インパクトでフェースがスクエアに戻ってきませんでしたね。

「RS」は打感と音が良かったというルイゴルフさん。最後に「RS F」を試打します。「F」はどのような意味なのでしょうか。

【ツ】わかりやすく言えばフェードの「F」です。そもそも「RS」はリアルアスリートという意味でアスリート向けのブランドなのですが、その中でも「RS F」はハードヒッター好みのヘッドになっています。

【ル】構えた瞬間にすごく良い顔だと思いましたし、1球目から完璧なショットが打てました。左に行かない安心感があるので、思いっきり振れるのが良いですね。

【ツ】ルイゴルフさんのような左へのヒッカケが怖いタイプにはオススメです。純正シャフトも50グラム台後半のツアーAD系なのでしっかり感があると思います。データ的にもスピン量が2200回転前後だったので理想的です。キャリーで260ヤードを超えていましたね。

【ル】ボールスピードも70メートル/秒も出ていたので完璧です。

ロフト角やライ角の調整機能に優れた「RS X」シリーズ

「RS F」のヘッドに手ごたえを感じたルイゴルフさん。そこで「ロフトを立ててみては?」と提案されます。

ヘッドを外してみると4つの穴が開いている
ヘッドを外してみると4つの穴が開いている

【ツ】実は「RS X」シリーズは調整機能も一新しています。ヘッドを外して接合部分を見ててください。

【ル】えっ、何ですかこれ? 穴が4つも開いていますけど…

【ツ】前作までは穴が2つだったのですが、今作から4つにしています。

【ル】そもそも他メーカーのように穴を1つにしていないのはなぜですか?

【ツ】プロギア独自のこだわりで、1つの穴にしないことで調整用のネジとシャフトの軸をズラしているのです。そのズレによってヒールの下側の部分をたわみやすくしています。

 細かいところから、反発性能とボール初速にこだわっているといいます。

【ツ】プロギアは昔からそういうメーカーなんです。「RS X」シリーズでは穴の数を増やしたことによって、ライ角やロフト角の調整幅が広がったのも大きな進化です。

【ル】僕の場合、10度のヘッドからロフト角とライ角を0.75度プラスしたくらいが良かったですね。持ち球の少し右に出てからドローしてくるイメージを出しやすかったです。

 プロギアのドライバーを試打したルイゴルフさんと、モデル選びのアドバイスをくれた鶴原さんに感想を聞いてみました。

【ル】思っていたより顔もかっこよくて、打感も良かったです。飛距離性能も十分あるし、日本メーカーの魅力が詰まっていると思いました。「RS F」は左に行かないですし、適度なやさしさもあるのが良かったです。

【ツ】今作で7代目となる「RS」シリーズですが、前作から調整機能を完全リニューアルしただけでなく、さらにギリギリの初速とやさしさにこだわっています。慣性モーメントの高い「RS MAX」はやさしいだけではなく、見た目にも違和感がない形状に仕上げています。スタンダードな「RS」はヘッドスピードが40メートル/秒前後のシニアゴルファーでも使いこなせます。そしてルイゴルフさんが選んだ「RS F」はつかまりにくいというだけではなくて操作性が高い。パワーヒッターでスピン過多に悩んでいる人にオススメです。

鶴原弘高 (つるはら・ひろたか)

大阪府出身。ゴルフ専門の編集者兼ライター。仕事のジャンルは、新製品の試打レポート、ゴルフコース紹介、トレンド情報発信など幅広く、なかでもゴルフギア関連の取材が多い。現在はゴルフ動画の出演者としても活躍中。YouTubeチャンネル:『A1 GOLF CLUB』 Instagram:@tsuruhara_hirotaka

ルイゴルフ(大塚塁/おおつか・るい)

愛知県出身。レッスン動画で若年層ゴルファーの支持を得る動画クリエイター。168のスコアからたった50日で100切りを達成したノウハウを伝えるインスタグラムのフォロワーは約6.5万人。現在は20代ゴルフコンペの企画運営などを行っている。

【取材協力】フライトスコープジャパン

「FlightScope MEVO Range」と「Pro V1 RCT」ボール
「FlightScope MEVO Range」と「Pro V1 RCT」ボール

今回の取材はフライトスコープジャパン本社内のパフォーマンススタジオをお借りし「FlightScope MEVO Range」と「Pro V1 RCT」ボールを用いて計測を行いました。

野中真一