男子バスケットボールBリーグ2部(B2)のライジングゼファーフクオカは、B1昇格をかけて5月3日(金)から始まるプレーオフに出場します。バスケ初心者のファンファン福岡編集部員が寒竹隼人選手、兒玉貴通選手、加藤寿一選手に話を聞きました!

「プレーオフではチームメートを信じて戦う」(兒玉選手)

兒玉貴通選手(撮影場所は全て「アイランドアイコート MIRAIBA(ミライバ)」)

(まずは、兒玉選手に聞きました)

レギュラーシーズンで印象的だった試合を教えてください。
 シーズン序盤の滋賀戦2試合目です。同点で残り0.8秒。マイボールスタートでパブロ(・アギラール)が3点シュートを決めて逆転勝ちしました。ゲーム内容自体も良かったですし、パブロのビッグショットのお陰ですごい勝ち方をして、僕らが勢いづく良い試合になりました。

今シーズン、兒玉選手が個人的に良かったと思う点は。
 今までのキャリアの中でも「周りの選手がどうすれば気持ちよくプレーできるか、チームがうまく回るか」にフォーカスしたシーズンでした。このチームに来れて成長できた部分ですし、どこからでも得点が取れるのがうちの利点です。周りを活かすこと意識をした点は良かったのではないかと思います。

今季から地元・福岡に帰ってきて、これまでと変わったことは
 2人目の子どもが生まれたのが一番大きな変化です。それから、昔からの友人や知り合いが試合会場に来てくれたり、連絡をくれたりするシーンが増えたことが、自分にとってすごく良い出来事でした。

練習風景

プレーオフを戦う上で気を付けたいことは。
 スポーツなので相手ありきですが、自分たちがいかにまとまり、共通認識を持って全てのことに取り組むか。プレーも大事ですけど、どっちが先に流れを取れるかという駆け引きの中で、チームメートを信じて戦うのが一番だと思います。

―兒玉選手の得意なプレーは。
 ディフェンスでアグレッシブに相手の嫌がることをやり続けるのが自分の持ち味。相手にとって脅威であり続けられるように、点数を取りにいくことも大事な核の部分かなと思います。

試合当日の過ごし方は。ルーティンなどはありますか。
 ほぼないですね。しっかり睡眠を取るくらいです。

シュートを打つときの感覚は大事だと思うのですが、爪のケアはしますか?
 僕は、爪を白い部分がいらいないくらいギリギリまで切りたいんですよ。伸びてきちゃうと気になってシュートがうまくいかないです。もともとシュートが得意ではないのですが…。試合直前に切っても気にならないです。

兒玉選手

―試合に感情的になることはありますか。
 結構ある方だと思います(笑)。相手チーム、レフリー、自分に対してのときも。すぐに流れや状況が変わるスポーツなので、出さない方がいいのは分かっているんですけど出やすいです。

―司令塔・ガードとしての役割は。
 コートに立ったときは、自分が一番話さなければいけません。コミュニケーションを取っていくのが好きな性格でもあり、チームメートがいいプレーをしたら、それをほめたたえるのが自分の役割だと思っています。シュート、リバウンドなど「ナイスプレー!」と声がけして、その選手が乗っていけるようにするのもガードの役割です。

―チームメートの意外な一面を教えてください。 
 ブライス・ワシントンは、顔がめちゃくちゃ怖いですが、話してみると気さくですし、優しい。ファンに求められて“ハート”のポーズをするときなんかは、こわもての印象とは全く違ってかわいい一面がありますね。プレーの時はしっかりチームを引っ張ってくれる存在ですし、ギャップが面白いなと思います。

「ブースターの存在自体がありがたいです」(兒玉選手)

「アイランドアイコート MIRAIBA」はアイランド・アイ内にあるライジングゼファーフクオカの練習拠点

どんな応援に勇気づけられますか。
 どんな応援でも僕らに届いています。劣勢だったら助けになりますし、いいプレーが続いているときは波に乗れますし、でっかい応援がブースターさんから届くのは相手にとっても嫌だと思います。どんな言葉というわけでなく、存在自体がありがたいなと思います。

―休みの日のリフレッシュ方法は。
 子どもが行きたい場所に連れて行って僕も楽しんでいます。家族と過ごす時間は笑顔も増えますし、家族が楽しいことで僕も救われます。

―バスケットシューズ選びのこだわりはありますか。
 知識があるわけではないですが、シーズン前にだいたい4〜5種類をがばっと買います。フィット感があり、滑らないかどうかシーズン前に試して、シーズン中は同じものを使い続けます。

―今使っているバッシュは。
 NBAプレーヤー(ヤニス・)アデトクンボ選手のシグネチャーモデル「FREAK(フリーク)5」です。

―ライジングの選手になってよかったことを教えてください。
 地元でプレーさせてもらることがありがたいことです。今までお世話になった方に自分の姿を見てもらえます。また、コーチ(ラモン・ロペス・スアレスヘッドコーチ)のやるバスケットが、今までの自分にないものも多く、勉強になります。新たなチームメートと出会えたことも自分のキャリアや人生を良くしていくと思います。

―プレーオフではどういうことに気を付けて戦いますか。
 レギュラーシーズンと全く別物。スイッチをもう一段階、二段階上げていきたいです。負けたら終わり。天国と地獄、人生が変わるような時期になると思います。準備をしっかりして、いい状態で望めるようにしたいです。

ファンにメッセージをお願いします。
 いつも応援していただきありがとうございます。福岡としては6シーズンぶりのプレーオフになります。長い間応援してくださっている方には、特に楽しみな瞬間だと思うので、一緒になって戦って最高の景色を見られるように、来シーズンB1で戦えるようにしたいなと思います!

「やっぱ福岡は強くないといかんやろ」(寒竹選手)

(次に、寒竹選手と加藤選手に聞きました)

キャプテンの寒竹隼人選手

―今シーズン、個人的に良かった点を教えてください。
(寒竹選手)個人的な成績よりもチームとしての価値を高めたいと思って、福岡に移籍してきました。地元出身であるというのが一番大きな理由ですが、ライジングゼファーフクオカを生まれ変わらせたいと思いました。福岡は“バスケット王国”といわれる地。「やっぱ福岡は強くないといかんやろ」という気持ちがすごくありました。

 今シーズン縁があって福岡のチームに入るとき、絶対この雰囲気を変えて「福岡のバスケはやっぱライジングやね」と思われるようなチームになりたいと。その点で去年の成績とはガラッと変わりました。チームメートそれぞれが強い意思を持ってやってくれた。そこに僕の気持ちも乗っかって、B1の切符を取りに行けるチャンスがきたことに「よし、やった!」という気持ちです。

―具体的にどんなことをしましたか。
 (寒竹選手)チームをポジティブな雰囲気にしようとしました。良くないとき、うまくいっていないときに、沈んでいくのではなくて、どうポジティブに向き合うか。ロッカールーム、練習、試合で雰囲気を前に向かせたいという思いが一番でした。いい選手がそろっているので、みんなに伝播して、常にいい雰囲気がつくれたと思います。

「キャリアで初めて全試合に出場できました」(加藤選手)

加藤寿一選手

 (加藤選手)ネガティブになる時期もありましたが、何かあるたびに(寒竹)隼人さんが話しかけてくれて、常にポジティブな方向に向かせてくれました。
 個人的にも大きなけがもなく、全60試合に出場することができました。キャリアの中でも初めてのことです。スタッフ陣、トレーナー陣、チームメートにも感謝します。B1昇格を目指してプレーオフへの出場権を獲得でき、本当によかったと思います。ここからが本当の勝負。気を引き締めてやっていきたいと思います。

―プレーオフでどんなことに気を付けたいですか。
 (寒竹選手)短期決戦は勢いのあるチームにのまれてしまう傾向があります。プレーオフになると(シーズン中の)順位は関係ないと思っているので、僕たちはそれを利用して、いかに自分たちの強みを勢いを持って出し続けるかが大事です。ネガティブな気持ちを持たずに、自分たちを信じて、楽しんでやれば良い結果が出るのではないかと思っています。
 (加藤選手)長いシーズンで積み重ねてきたことをコート上で表現するだけなので、新しいことではなく信じてやってきたことをチームとして出せるかですね。

―寒竹選手は普段からポジティブですか?
 普段から「何とでもなる」と思っています。「死ぬこと以外はかすり傷」。「ネガティブなとき、本当にしんどいときにいかに前を向けるか」が人生の座右の銘です。「どうにかなる」(スタンスが)が奥さんを怒らせることもありますね(笑)。女性の方が現実的なのでね。

「アイランドアイコート MIRAIBA」2階からの風景

―戦術を決めることに選手が関わることはあるのでしょうか。
 基本的にはコーチのやりたいスタイル、哲学があって、それに合わせて僕らがアジャストしていく形です。コーチがやりたいバスケットを全力で体現します。

―試合当日の過ごし方は。
 (加藤選手)ホームだと金曜、土曜のゲームが多く、金曜はナイトゲームになります。朝に練習して、昼寝をしています。毎回試合前になるとアイマスクをして良いイメージを考えながら、10分間精神統一。集中する時間は携帯電話を触らないようにしています。それをルーティン化していました。
(寒竹選手)昼寝、ストレッチ、シューティング、ベンチでゆっくりする、ロッカールームに下がる、(決まった)飲み物を飲む、コートに出る、試合前10分になったら特定の場所にいる、というように無意識ながら毎回同じルートをたどっているはずです。

「爪を切るタイミングが決まっています」(寒竹選手)

加藤選手と寒竹選手

―シュート感覚に関わると思われる爪の状態はどうしていますか?
 (加藤選手)裏(手のひら側)から見て、ちょっと爪が見えるくらいをキープしたいです。パスするにしろ、シュートするにしろ爪があった方がボールを扱いやすいと感じています。試合前には切らないです。
(寒竹選手)僕は爪を切るタイミングが決まっています。絶対、週の頭に切ります。週末に試合が終わったオフタイムに切って、次の週に練習をしてなじませていって、週末にちょうどよくなります。試合の前日や当日にバンバン“深爪”する選手もいますし、強化するためにネイルをする人もいます。人それぞれですね。
(加藤選手)シューターと呼ばれるポジションの人は気にする人が多いかもしれません。
(寒竹選手)ちょっとの爪の長さの違いでボールの飛距離が変わってくるんですよ。
(加藤選手)そうですよね。いつもの感覚で打ってるのにシュートが短くなることがありますね。シュートのタッチが変わります。感覚です。
(寒竹選手)職業病ですね。(シュートを)ずっと打ってきた、その感覚が残っているから、ちょっとの違いでも「あれっ」と思います。

―ほかに職業病だと思うことは
 (寒竹選手)僕は人間観察が好きなんですよ。電車のホームなどでずっと人を見ています。そのせいか、試合中に「あの選手イライラしているな、ストレスためてるな、落ち込んでるな」と分かって、声をかけに行きます。人間観察も捨てたもんじゃないなと思いましたね。

―試合中に感情的になりますか。
 (加藤選手)なります。試合中、目の前に来た隼人さんから「落ち着け」といわれたことがあります。熱くなって審判にアピールしてしまうことがあるんですが、隼人さんが「切り替えろ」と言って審判と話してくれたことも。
 (寒竹選手)若いころはめちゃくちゃ怒ってました。自分のプレー、相手、審判に対してもそうです。いろいろ経験して今のようになれました。

加藤選手と寒竹選手

―お互いの意外な一面があれば教えてください。またプライベートで交流はありますか。
 (加藤選手)付き合いが長いので、ごはんを食べに行くことはしょっちゅうあります。隼人さんはプライベートでもこのまま(の性格)です。
(寒竹選手)加藤は天然というか、変わってますね。質問の答えが予想通りにはならない。だから飽きないですよ。一筋縄ではいかないです。一日で会えるリミットが決まっていますね。「加藤はもうおなかいっぱい」になっちゃいます。
(加藤選手)僕は普通に答えているつもりです。
(寒竹選手)その、いじれるところが楽しみです。

―ムードメーカーですね。
 (加藤選手)いじられ役がおいしいと思っています。ムードメーカーがほかにいなくてよかったです。そのポジションを独占しています。

―バスケットシューズのこだわりはありますか?
 (加藤選手)おととしくらいからプーマのシューズを履きだしました。靴ずれしないか、軽さ、クッション性などを考えています。ハイカットは無理で、ミドルかショートカットモデルを選んでいます。
(寒竹選手)僕はもともとスニーカーが好きで、ナイキ信者なんですよ。スニーカーもバッシュもナイキ一筋です。

―食事面で気を付けていることは。
 (寒竹選手)僕と加藤はやせやすい体質で、バランス良く食べ、朝昼晩に間食をするようにしています。炭水化物系、プロテインなどを摂取しています。

―バスケット漫画から影響を受けたことは?
 (寒竹選手)僕は「SLAM DUNK(スラムダンク)」が大好きで、それがきっかけでバスケットを始めましたね。
 (加藤選手)僕は「SLAM DUNK」「あひるの空」「黒子のバスケ」などを読んできました。高校時代、「黒子のバスケ」の技をめちゃめちゃまねてましたね。できたことはないです(笑)。

プレーオフに向けて練習する選手たち

―休みの日のリフレッシュ方法を教えてください。
 (寒竹選手)自然の多いところで温泉やサウナに入って、リフレッシュするようにしています。
 (加藤選手)オフの日は家族と出かけてリフレッシュ。あとは少年に戻った気分になってポケモンなどのカードをコレクションしています。家族を巻き込んでカードを見に行くこともありますね。

―ライジングの選手になってよかったことは
 (寒竹選手)地元の人に喜んでもらえるのが一番です。
 (加藤選手)必要とされているのを感じるので、ライジングに来てよかったなと思います。ファンの方から手紙をもらって、「福岡に来てくれてありがとう」といわれて「もっと頑張らなきゃな」と思います。

「最後にいい景色を一緒に見に行きましょう!」(加藤選手)

―ファンにメッセージをお願いします。
 (加藤選手)いつも応援ありがとうございます。リーグとして3位、西地区2位という成績を収められたのも、いいときも悪いときもサポートとしてくれたみなさんから後押しをもらったからだといえます。最後にいい景色をつかむために、もう一度僕たちに力を貸してほしいです。そして、その景色を一緒につかみに行きましょう!
 (寒竹選手)ライジングがB1にいけるチャンスを得ているので、福岡県出身の選手として責任を持って、歴史を変えられるように精いっぱい頑張りたいです。将来、子どもたちに福岡のバスケットボールをトップのレベルで見せたいと思っています。一緒に戦ってください。よろしくお願いします!

寒竹隼人(かんたけ・はやと)

 1986年8月1日生まれ。福岡県出身。194cm、89kg。SF(スモールフォワード)。

兒玉貴通(こだま・たかゆき)

 1992年6月11日生まれ。福岡県出身。166cm、70kg。PG(ポイントガード)。

加藤寿一(かとう・としかず)
 

 1993年10月5日生まれ。神奈川県出身。192cm、86kg。SF(スモールフォワード)。

ライジングゼファーフクオカ B2 プレーオフ

日本生命 B2 PLAYOFFS 2023-24
クオーターファイナル
日程 5月3日(金)
対戦 ライジングゼファーフクオカ×山形ワイヴァンズ
場所 飯塚市総合体育館
時間 19:00〜

日程 5月4日(土)
対戦 ライジングゼファーフクオカ×山形ワイヴァンズ
場所 飯塚市総合体育館
時間 15:00〜

日程 5月5日(日)※1勝1敗の場合に開催
対戦 ライジングゼファーフクオカ×山形ワイヴァンズ
場所 飯塚市総合体育館
時間 14:00〜

※2戦先勝方式。勝てばセミファイナルに進む。チケット情報など詳しくはBリーグサイトへ

Bリーグ 公式サイト
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