結婚して、働きながら家事・育児を行う方もいれば、専業主婦(夫)となって家族のサポートをメインに行う方もいます。働きながら家事・育児をする方にとっては、今回の事例のように「専業主婦(夫)はパートナーの稼ぎがいいのだろうか」と疑問に感じることもあるかもしれません。   そこで今回は、二人以上の世帯において1人で家計を支える場合に必要な金額と、専業主婦(夫)のメリット・デメリットを紹介します。

二人以上の世帯で生活する際の費用はどれくらいかかる?

まずは二人以上の世帯で生活する際の費用を見ていきましょう。
総務省統計局が発表する二人以上世帯の統計データを元に、暮らしにかかる金額を以下の表1にまとめました。
 
表1

項目 金額
食料 8万1738円
光熱・水道 2万3855円
家具・家事用品 1万2190円
被服・履物 9297円
保健医療 1万4645円
交通・通信 4万2693円
教養娯楽 2万8630円
交際費 1万7058円
消費支出合計 29万3997円

※総務省統計局「2023年 家計調査 家計収支編 二人以上の世帯」を基に筆者作成
 
家の大きさや交通手段などさまざまな要素で金額は異なりますが、二人以上世帯においては1ヶ月30万円程度の費用がかかることが分かります。
 
国税庁の「令和4年分民間給与実態統計調査」の結果によると、1年を通じて勤務した給与所得者の平均給与は458万円です。1ヶ月に換算すると38.2万円程度です。
 
平均金額で比較すると十分な生活費を1人で稼げると考えられますが、業種によって給与の金額はさまざまです。そのため、勤続年数や年齢によっては共働きの必要も出てくるかもしれません。
 

専業主婦(夫)のメリット・デメリット

生活費にゆとりがある場合、無理をして働く必要はないかもしれません。しかし、専業主婦(夫)ならではのメリットだけでなく、デメリットも把握した上で判断することが大切です。
 

専業主婦(夫)のメリット

専業主婦(夫)のメリットとしては、以下の3点が挙げられるでしょう。

●時間に融通が利く
●家族のサポートに専念できる
●年金や健康保険料を自分で支払わなくていい

就業時間がない分、家事や育児に時間をかけられます。平日の昼間に時間が取りやすいため、銀行や官公庁の用事も済ませやすいでしょう。
家族のサポートに専念できるというメリットもあります。
また、会社員のパートナーに扶養されている場合は、年金や健康保険料を自分で支払う必要がありません。
 

専業主婦(夫)のデメリット

専業主婦(夫)のデメリットは、以下の3点が考えられます。

●収入の柱であるパートナーに何かあった場合、収入の確保に困る
●外部とのつながりが少なくなる傾向がある
●老後受け取る年金額が少なくなる

専業主婦(夫)はパートナーに万が一のことがあった際、新たに就職先を探さなくてはいけなくなる場合があります。
また、働きに出ず交友関係も少ない場合、外部とのつながりが少なくなってしまいます。そのため、家の中にこもりがちになったり孤独を感じてしまったりする可能性もあります。
さらに、パートナーの扶養に入っている専業主婦(夫)は、働いて厚生年金保険料を納めている場合と比べて、将来受け取れる年金額も少なくなります。
 

専業主婦(夫)になるかパートで働くかは家庭のバランスを加味して判断しよう

専業主婦(夫)も共働きもそれぞれにメリットやデメリットがあります。
また家庭の状況によっても、選択肢はさまざまです。
 
家庭のバランスを加味しつつ、自分の家庭に適した働き方や、夫婦の家事分担で円満な家庭を目指しましょう。
 

出典

政府統計の総合窓口(e−Stat)家計調査/家計収支編 二人以上の世帯 詳細結果表
国税庁 令和4年分民間給与実態統計調査結果について
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー