定年退職により社会保険から抜ける場合、国民健康保険へ切り替える選択肢があります。   切り替えは自動的には行われず、自分で期限内に所定の手続きをしなければなりません。   必要な手続きを行わないと、医療費負担が増えたり、多額の保険料支払いを一度に求められたりする恐れがあります。   本記事では、社会保険から国民健康保険への切り替え時で損しないための必要情報をお伝えします。

社会保険と国民健康保険の切り替え期限は14日以内

退職を機に、社会保険から抜けて国民健康保険に切り替えたい場合、加入手続きは退職日の翌日から「14日以内」にしなくてはなりません。
 
自動的に切り替えてもらえるわけではないため、注意が必要です。
 
国民健康保険の被保険者となるのは、届け出をした日からではなく、退職して職場の健康保険の資格を喪失した日からです。
 
一般的には退職日翌日が資格喪失日でしょう。
 

切り替え手続きが遅れるとどうなる?

14日以内に切り替え手続きをしないと、特別な理由がない限り、手続きをするまでに医療機関でかかった医療費が「全額自己負担」になってしまいます。
 
例えば2024年5月31日に退職し、6月1日が社会保険の資格喪失日だとします。
 
この場合6月14日までに切り替え手続きが必要です。
 
しかし手続きを忘れて、6月14日までに切り替えを行っていない場合、手続きを行う前に医療機関にかかった際の医療費には保険が利かず、損してしまう可能性があります。
 
また保険料については国民健康保険に加入する資格を得た月(前例では2024年6月)にさかのぼって納めなければなりません。
 
切り替えまでの期間が長ければ、その分の保険料が最長過去2年度分まとまって請求される可能性もあります。
 

切り替えに必要な手続き

国民健康保険への切り替え手続きは、住んでいる市町村の「保険年金課」や「市民サービス課」などで行えます。
 
マイナンバーカードを持っている場合は、オンラインでの手続きができる場合もあります。
 
申請には以下のようなものが必要です。

・本人確認書類(マイナンバーカード、運転免許証、パスポートなど)
 
・退職証明書や離職票など退職日を示す書類(退職者のみ加入する場合)
 
・扶養家族が加入していた健康保険証のコピー(扶養家族がいる場合)

手続きを行う市町村にあらかじめ必要書類を確認しておくとスムーズです。
 

社会保険の資格喪失後、国民健康保険へ切り替える場合は速やかに手続きをしよう

退職により職場で加入していた社会保険から抜けて国民健康保険に入る場合、14日以内に手続きしないと、余計な負担がかかる恐れがあります。
 
14日を過ぎても国民健康保険に入ること自体は可能ですが、医療費が全額自己負担になったり、過去の保険料をさかのぼって請求されたりなど、トラブルになりかねません。
 
退職を機に国民健康保険への移行を検討している場合は、余裕を持って早めに手続きを行いましょう。
 

出典

全国健康保険協会ホームページ
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー