住宅ローンの返済に励んで、50代のうちに完済した方もいらっしゃるでしょう。しかし生活がギリギリだったため「貯金が200万円しかない」といった事態もあるかもしれません。   老後生活を考えると、十分な資金が貯まっていないのではないかと不安に思う方もいるでしょう。そこで今回は、50代の平均貯蓄額や負債の状況について調べてみました。   老後資金を確保するためのアイデアもご紹介しますので、参考にしてみてください。

55歳で貯金200万円は少なすぎる? 同年代の平均貯蓄額と負債状況は?

住宅ローンを完済したものの、貯金は200万円しかないため不安に感じる方もいらっしゃるでしょう。
 
金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)」によると、50代の平均貯蓄額は1147万円で、中央値は300万円とのことです。
 
貯蓄がないと回答した27.4%を除いた場合の平均貯蓄額(金融資産保有世帯のみ)は1611万円、中央値は745万円でした。50代の負債状況については以下の通りです。


・借入金がある:23.9%
・借入金がない:76.1%

借入金がある世帯の住宅ローン残高については平均が928万円、中央値は600万円で、50代以降も返済が続く人がいることが分かります。
 
同調査から、55歳で十分な老後資金を貯めたいと考えている方にとって、貯金200万円は物足りない数字であると考えられます。一方で、住宅ローンを完済して負債がないことは、プラスに考えてもいいでしょう。
 

50代からでも遅くはない!? 老後に向けて備える方法

55歳で貯金200万では、老後の生活が不安になりますが、今からでも老後に向けて備える以下のような方法があります。
 

・働けるうちは働いて毎月の収支を黒字にする

55歳になると定年退職もすぐ先に見えてくる年代ですが、可能であれば定年後も働いて老後資金を増やせます。ただし定年後は収入が減少することも考慮に入れて、生活レベルを相応なものにする努力が必要です。
 
住宅ローンが完済したからといって財布のひもを緩めるのではなく、黒字部分は貯金に回すようにしましょう。
 

・老後収入をシミュレーションする

定年後に働けなくなった場合を想定して、老後の収入をシミュレーションすることも大切です。受け取れる予定の年金額と、老後の生活費を比較してみます。
 
退職金をご褒美と考えてぜいたくをするのではなく、老後の生活費に回すことも検討できるでしょう。
 

・リバースモーゲージの活用も検討する

持ち家を担保にして毎月の生活費を借りる「リバースモーゲージ」の活用も検討できます。
 
生存中は自宅に住み続けられて、借入人が死亡したときに担保となっていた不動産を処分して返済します。金融機関によって利用条件は異なるため、相続人を含め慎重に検討したうえで決定するといいでしょう。
 

55歳で貯金200万円は物足りないかも……。老後資金確保のために早めの対策が必要

50代の平均貯蓄額は1147万円で中央値は300万円、貯蓄がないと回答した27.4%を除いた場合の平均貯蓄額は1611万円、中央値は745万円です。55歳で貯金が200万円の場合は、物足りない数字であると考えられます。
 
しかし住宅ローンを完済して負債がないことはプラスに捉えられますから、財布のひもを緩めずに黒字部分を貯金に回すようにしましょう。
 
また定年後も働けるうちは働き、年金収入と退職金で生活するシミュレーションをしたりリバースモーゲージの活用を検討したりして、老後資金確保のための対策を採ることも大切です。
 

出典

金融広報中央委員会 知るぽると 家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)表番号3.28.31
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー