バイク通勤と車通勤どちらがいいか悩む人は、費用の面でどれだけの違いがあるのかを知りたいのではないでしょうか。そこで今回は、燃費のいい車とバイクを比較して40年間でどれだけ費用の差が生まれるのか計算しました。

バイク通勤と車通勤費用の比較

バイクと車では、燃費に大きな差があります。短い期間なら大きな違いを感じることはなくても、10年単位の計算となると大きな差が生まれてきます。そこで社会人が40年間バイク通勤・車通勤を行ったとしたら、どれほど費用に差が開くのか計算してみたいと思います。
 
国土交通省が発表した「自動車の燃費ランキング」では、普通・小型自動車部門でトヨタの「ヤリス」が1位にランクインしています。そのため車の計算は、トヨタの「ヤリス」で行います。
 
「グロム」は、バイク情報サイト「ウェビックバイク選び」のバイク人気総合ランキングで、燃費のよさで1位にランクインしたバイクです。排気量123ccで、通勤にも使われやすい大きさです。そのためバイクの計算は、ホンダ「グロム」で行います。
 
燃費の数値は、ヤリスは実燃費に近い「WLTCモード」で、1Lあたり36.0kmとなっています。グロムの燃費は実燃費に近い「WMTCモード」で1Lあたり67.8kmです。
 
平成22年に国土交通省が行った調査によると、マイカー所有者の平均通勤距離は往復で21kmです。月に22日出勤するとして、通勤の距離は月462kmとなります。1年で5544km、40年で221760kmとなる計算です。
 
ヤリスの燃費で計算すると、40年間で6160Lガソリンを消費することになり、グロムの燃費では40年間で約3270Lガソリンを消費します。
 
総務省の「小売物価統計調査」では、ガソリンの都市別小売価格が、1Lあたり平均175円となっています(2024年2月時点)。40年間のガソリン価格を175円と固定した場合、ヤリスが40年間にかかるガソリンの費用は107万8000円、グロムの40年間のガソリン費用は57万2250円という結果になりました。
 
ヤリスとグロムで通勤した場合(往復21kmの距離、月22日出勤した場合)
の費用は、表1の通りです。
 
表1

1年間 10年間 40年間
ヤリス 2万6950円 26万9500円 107万8000円
グロム 1万4306円 14万3062円 57万2250円

ヤリスとグロムの燃費をもとに筆者が作成
 
40年間でかかるガソリンの費用の差は50万7750円あり、年に換算すると1万2700円の違いがあります。1年ではそれほど大きな違いを感じませんが、10年単位で考えると大きな違いが生まれることが分かります。
 

バイク通勤と車通勤それぞれに向いている人は?

バイク通勤と車通勤には、それぞれメリットがあります。バイク通勤のメリットは、かかる費用の安さです。計算したガソリン費用の表を見ても一目瞭然であり、ガソリンの費用の差だけでなく、車体の維持費も車とは大きく異なります。
 
車の場合はバイクに比べて、自動車税や保険料、駐車場代などが大きな出費となります。ガソリン費用に加えて維持費用も高額となると、費用の面では想像以上にバイク通勤にはメリットがあると思われます。
 
またバイク通勤は、街中での走行で小回りがきくというメリットもあります。そのため、とにかく費用を安く抑えたい、交通状況のストレスを少なくしたい人はバイク通勤に向いているでしょう。
 
一方車通勤のメリットは、安全で快適に出勤できる点です。バイクは体力の消耗が激しく、車内で休憩することもできません。また雨の日には、バイク通勤ではぬれてしまうでしょう。
 
さらに車はバイクに比べて人を乗せやすく、荷物の積載量も大きく異なります。休日での家族の外出などプライベートの利用もしやすいので、バイクよりも使い方の幅が広くなります。そのため、車内で過ごす機会が多い人や幅広い利用の仕方をしたい人には車通勤が向いています。
 

かかる費用と利便性を見て自分に合った通勤方法を選ぼう

バイク通勤は、費用の面で車通勤よりも優れています。一方車通勤は、快適さと利用の幅の広さでメリットがあります。
 
どちらがいいのかは、自分のライフスタイルや家族構成、職種などによっても変わってきます。単純に費用だけを見て考えるのではなく、さまざまな面を考慮して自分に合った通勤方法を選びましょう。
 

出典

国土交通省 燃費の良い乗用車ベスト10(令和4年末時点)
ウェビックバイク選び 人気総合ランキング 絞り込み「燃費が良すぎる」
HONDA GROM スペックとサイズ
国土交通省 交通政策基本法に基づく政策展開第1回 交通基本法案検討小委員会について 資料11−6−1 交通基本法案検討小委員会資料
総務省 小売物価統計調査 / 小売物価統計調査(動向編) / 小売物価統計調査(自動車ガソリン)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー