丁寧な暮らしを心がけるために、料理に手間と時間をかけようとする方もいらっしゃるでしょう。   例えば、みそ汁や煮物のだしをとるために、市販の粉末だしではなく「いりこ」を使用する場合「手間や時間だけでなくお金もかかるのではないか?」という疑問も出てくるかもしれません。   実際のところ、だしをとるためにいりこを使用する場合と粉末だしを使用する場合では、費用にどのくらい差が出るのか確認してみましょう。

「いりこ」でだしをとる方法は?

日本出版販売株式会社が行った「だしに関する意識調査」では、だしの取り方を知らない人が23.4%にも上るようです。中でも、30代以下は三人に一人(29.3%)がだしの取り方を知らないことが見て取れます。
その理由として「市販のだしパックで十分だから」という声が一番多く上げられ、全体の58.2%でした。
 
「いりこ」とは、カタクチイワシを煮て干したもののことをいい、上品で甘みのあるだしがとれることから、みそ汁や煮物を作るときなどに使用されることがあるようです。
 
「いりこ」でだしをとる際は、以下の手順で行います。

●煮干しの頭を取り除き、背中から左右に割いて腹ワタを除く
●鍋に煮干しを入れ、いい香りがするまで炒める
●火を止めて定量の水をくわえ、そのまま置いて20分間浸けておく
●火にかけ、沸騰後はアクを取り除きながら弱火で5分煮る
●火を止め、ぬらして固く絞ったさらしでこせば完成

 

「いりこ」と「粉末だし」の料金を比較してみよう

いりこは、150グラム入り1200円程度で販売されているものもあります。
 
600ミリリットルのみそ汁のだしをとるために24グラムのいりこを使用するとして、1回につき約200円分のいりこを使うことになります。
 
一方、粉末だしは450グラム入り約1000円で販売されているものもあります。
 
600ミリリットルのお湯に対して小さじ大盛り1杯(4グラム)を目安とした場合、1回につき8〜9円分の粉末だしを使う計算です。
 
上記の計算では、みそ汁600ミリリットルを作るために、いりこを使った場合と粉末だしを使った場合では、190円程度の差が生じることが分かります。
 

お金がかかっても「いりこ」を使うメリットとは?

いりこを使用した場合、和風だしを使った場合より費用がかかりますが、丁寧な暮らしを心がける人にとっては、いりこを使うことのメリットは大きいでしょう。
 
いりこからとっただしには、カルシウムやビタミン・タウリン・鉄分などさまざまな栄養素が豊富に含まれています。
 
また、グルタミン酸やイノシン酸といったうま味成分が味に深みを与えてくれるため、いつもの料理がさらにおいしく仕上がります。
 
だしをとった後のいりこをふりかけやつくだ煮にして活用すれば、節約につながるかもしれません。
 

和風だしに比べるとお金はかかるが、工夫すれば経済的に使える

だしをとるためにいりこを使った場合、粉末だしを使うより、一回につき190円程多く費用がかかる可能性があります。
 
今回の事例のように「お金をかけすぎでは?」と心配になる人もいるかもしれません。
しかし、いりこには栄養上のメリットや、うま味成分が含まれているメリットがあります。
 
また、いりこはだしをとった後も活用できるため、工夫次第では経済的に使えるといえるでしょう。
 

出典

日本出版販売株式会社 だしに関する意識調査
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー