まかないが提供されることは、飲食店のアルバイトでは魅力のひとつといえます。   今回のように交通費で300円が支給されているため、まかない代の300円は実質無料という職場で働いていたり、家族がそのような職場で働いていたりする方もいるでしょう。   しかし、上記のケースで本当に無料といえるのか疑問に感じる方もいるかもしれません。   本記事では、このようなケースにおいて300円のまかないが実質無料といえるのかを解説します。

まかないとは?

まかないとは、アルバイトなどの従業員に店側が提供してくれる食事のことをいいます。
飲食店のアルバイトでは、まかない制度を採用しているところが多いそうです。
 
ただし、すべての飲食店のアルバイトにおいてまかないは必ず支給されるわけではなく、店舗や勤務時間などによって異なるとされています。
 
求人情報にまかないの有無が記載されているケースもあるため、気になる場合は事前に確認しておくようにしましょう。
 
もし求人情報に、まかないについての記載がない場合、面接時に確認してみることをおすすめします。
 

まかないの無料提供は税務上の問題が生じる可能性がある

まかないを無料で提供すると、現物支給と判断される可能性があります。
 
ただし国税庁によると、以下2つの条件を満たしていると、給与として課税がされないため現物支給とはならない可能性が高いでしょう。

●役員や使用人が食事の価額の半分以上を負担している
●食事の価額から役員や使用人が負担した金額を差し引いた額が1ヶ月あたり3500円以下である

上記の条件を満たしていない場合、まかないが現物支給に該当する可能性が高いです。
 
現物支給として料理などを提供していると、本来なら給与として課税されるはずの税金がかかっていないことになります。
その結果、従業員が収入に対する税金を納めていないという事態になるおそれがあるでしょう。
 
また、従業員にまかないを無料で提供することで、飲食店側が余分な仕入れを増やして納めるべき税金を減らしていると税務署に判断されてしまう可能性があります。
 
まかないの無料提供には、飲食店と従業員の双方に税務上の問題が生じるおそれがあります。
 

まかないを実質無料で提供するためには賃金を増やす必要がある

まかないは給与の現物支給に該当するケースがあるため、無料で提供すると税金がかかる可能性があります。
しかし、まかないを有料にすると働き手を確保できない可能性が考えられるでしょう。
 
そのため、まかない代を給料に上乗せすることで、アルバイトに応募してくれる人員を増やすという対策が考えられます。
 

まかないは賃金を上げることで実質無料になる

今回は、アルバイト先で300円のまかないが提供されているものの、交通費で300円を支給していることで実質無料になるかどうかのケースでした。
 
まかないを無料で提供すると給与の現物支給となり、所得税が発生するおそれがあります。
その対策として、賃金を上げることでまかない代を「実質無料」にするアルバイト先があることは考えられるでしょう。
 
今回のケースのように交通費として一律300円を支給しているアルバイト先は、まかない代を実質無料にしているのかもしれません。
 

出典

国税庁 No.2594 食事を支給したとき
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー