車を運転していてあおり運転をされた経験があるという人もいるのではないでしょうか。あおり運転は、車によって被害の受けやすさが異なるといわれています。可能ならば、「あおり運転を受けにくい車」に乗ったほうが安心です。   本記事では、あおり運転をされやすい車・されにくい車の違いや、予算120万円であおられにくい車を買う場合の選択肢、あおり運転をされないための対策を元警察官の視点も踏まえながら解説します。

そもそもあおり運転とは?

あおり運転とは、ほかの車の通行を妨害する目的で行われる悪質・危険な運転の総称です。2020年6月10日に改正された道路交通法で、あおり運転を取り締まるために「妨害運転罪」が創設されました。道路交通法であおり運転は、車間距離不保持や減光等義務違反(不必要なハイビームやパッシング)、警音器使用制限違反(クラクション)、安全運転義務違反(幅寄せなど)などの10類型に分類されています。
 

あおり運転されやすい車・されにくい車

あおり運転をする人は、一般的に自分よりも弱い相手をねらう傾向があるとされています。軽自動車やコンパクトカーなど車体の小さい車は、その外見から自分よりも弱い人が運転しているのではないかと思われることがあるようです。
実際はかわいらしい軽自動車やコンパクトカーに似つかわしくない乱暴な人が乗っていることもあり、弱そうな車だから弱そうな人が乗っているという考えは誤りなのですが、人間は外見に大きな影響を受けてしまいがちなのでしょう。
 
逆に、あおられにくい車は高級車やSUV、スポーツカーなどです。高級車やSUVは車体が大きく威圧感があるため、あおられにくいのでしょう。また、スポーツカーはそのハイパフォーマンスゆえ、あおっても逃げられてしまう、逆に追跡されてしまうと思われているのかもしれません。
 
また、トヨタのクラウンなど覆面パトカーに採用されている車種も「ひょっとしたら警察かも」と思われるため、あおられにくい傾向があるようです。
 

予算120万円であおられにくい車を買うなら

20代の女性が予算120万円で車を買うとしたら、軽自動車やコンパクトカーを選ぶことも多いのではないでしょうか。しかし、先ほども紹介したように軽自動車やコンパクトカーはあおられやすい傾向にあるといえます。
 
あおられにくい車を選ぶのであればできるだけ大きな車を選ぶことをおすすめします。大型のセダンは若い女性に人気があるとは言い難いかもしれませんが、SUVであれば違和感も少ないのではないでしょうか。また、運転が好きな人であればスポーツカーなどもおすすめです。
 
ただし、予算120万円ではSUVやスポーツカーの新車は難しいでしょう。しかし、中古車であれば十分購入可能です。
 
例えばSUVの中古車なら、トヨタハリアーの2003年モデルが、約60〜170万円で購入できます。2013年モデルでも120万円ならギリギリ購入できるケースも。
 
ほかにも、日産のエクストレイルの2013年モデルなら約60〜480万円で購入できます。2007年モデルなら約30万円〜購入可能です。
 
スポーツカーも中古車なら選択肢が豊富にあります。日産のフェアレディZの2008年モデルなら100万円〜購入でき、2002年モデルなら約40万円〜です。
 

あおり運転されないための予防策と対処法

あおられにくい車に乗っていても、あおられることはあります。あおり運転をされないためには交通の流れに乗った運転が重要です。例えば、高速道路の追い越し車線を低速で走り続ける車がたまに見られますが、このような行為は後続車にあおられるきっかけになることが少なくありません。
 
もちろんあおるほうが悪いのですが、高速道路の追い越し車線を走り続けることも道路交通法の通行帯違反になります。また、一般道路でも速い車に追いつかれたときは進路を譲る義務があるなど、あおられる側も交通違反を犯していることがあるでしょう。
 
交通の流れに乗って運転をしているのにあおられたときは、素直に進路を譲りましょう。「君子危うきに近寄らず」です。しかし、中には進路を譲ってもしつこくあおり続ける車もいるかもしれません。その場合は安全な場所に停車して110番通報しましょう。
 
その際は決して外には出ないようにしてください。進路を譲ってもしつこくあおり続ける人物は、かなり危険な人物である可能性が高いからです。このような悪質なあおり運転に対応するためには、ドライブレコーダーを取り付けておくことも効果的です。
 

まとめ

高級車やSUV、スポーツカーなどはあおられにくい一方で、コンパクトカーや軽自動車などはあおられやすい傾向があります。予算120万円であおり運転を受けにくい車を買うのであれば、中古のSUVやスポーツカーなどが適しているでしょう。
 
また、あおり運転を受けないためには交通の流れに乗った運転を心がけることも大切です。あおり運転をされた場合は、早々に進路を譲って危険からは遠ざかるようにしましょう。
 

出典

警察庁 危険!「あおり運転」はやめましょう
 
執筆者:山根厚介
2級ファイナンシャルプランニング技能士