老後の資金作りのためにiDeCoを利用している方もいるでしょう。給料が上がったりお金に余裕ができたりすると、掛け金を増やすケースもあります。   iDeCoでは、人によって掛け金の上限額が異なるため注意が必要です。   今回は、iDeCoの加入条件や掛け金の上限、また掛け金を増やすメリットなどについてご紹介します。

iDeCoは人によって加入条件や掛け金の上限が異なる

iDeCo(個人型確定拠出年金)は誰でも条件が変わらないNISA(少額投資非課税制度)とは異なり、国民年金の被保険者の種類や、企業の年金、共済などに加入しているかで掛け金の上限額が変動します。
 

加入条件

国民年金の種類ごとのiDeCoに加入できる条件は以下の通りです。

●第1号被保険者:20〜60歳未満の自営業者やその家族、フリーランス、学生など
●第2号被保険者:厚生年金保険の加入者(会社員、公務員)
●第3号被保険者:第2号被保険者に扶養されている20〜60歳未満の配偶者
●任意加入被保険者:60〜65歳未満の日本在住あるいは20〜65歳未満の海外居住者で、国民年金保険料を納付した期間が480ヶ月未満の方

第1号被保険者に該当する職業でも、農業者年金に加入している方や国民年金保険料を全額もしくは一部免除されている方は利用できません。また、第2号被保険者の方で企業型確定拠出年金に加入している一部の方も、利用できないケースがあるので確認しておきましょう。
 

掛け金の上限

iDeCoの掛け金も、加入条件と同様に国民年金の被保険者の種類によって上限が異なります。各種類の上限は以下の通りです。

●第1号被保険者と任意加入被保険者:月額6万8000円
●第2号被保険者で会社に企業年金がない会社員:月額2万3000円
●第2号被保険者で企業型確定拠出年金のみに加入している会社員:月額2万円
●第2号被保険者で確定給付企業年金と企業型確定拠出年金に加入および確定給付企業年金のみに加入している会社員/公務員:月額1万2000円
●第3号被保険者:月額2万3000円

掛け金は月額5000円から対応しており、1000円単位での設定が可能です。
 
また、どのように運用していくのかは自分で決める必要があります。必ず1商品のみに掛け金をまとめる必要はなく、例えば1万円を3商品に分けての運用も可能です。
 

掛け金を増やすメリット

掛け金を増やせば、将来受け取る金額を増やせる可能性があるでしょう。
 
iDeCoでは、運用益は非課税です。さらに、60歳以降になって受け取る際、受け取ったお金は「退職所得控除」や「公的年金等控除」の対象になります。
 
掛け金を増やせば、受け取る金額も増える可能性があるため、控除額が増加し、結果として税金額が安くなる点もメリットです。
 
ただし、あくまでも運用なので、元本割れのリスクもあります。iDeCoは一度加入したら基本的に60歳以降にならないとお金を引き出せないため、元本割れしても途中で解約はできません。不安な方は、元本が保証されるタイプの商品を選択しましょう。
 

掛け金を増やせば受け取れる金額も増える可能性がある

iDeCoは、加入している国民年金の被保険者タイプによって掛け金の上限が異なる制度です。給料が上がっても、すでに上限いっぱいに掛け金を使っている場合は増やせません。
 
もし上限でなければ、掛け金を増やせます。
 
掛け金を増やすと、将来受け取れるお金が増える可能性も高まる点がメリットです。さらに、運用益だけでなく、60歳以降で受け取るときに公的年金の控除か退職所得として扱えるため、税金の控除額も増やせます。
 
ただし、元本確保型でない限りは元本割れのリスクがある点は把握しておきましょう。
 

出典

厚生労働省 iDeCoの概要
厚生労働省 iDeCoパンフレット等のご案内(一般の方向け) iDeCo(個人型確定拠出年金)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー