交流サイト(SNS)などでつながり、離合集散を繰り返す集団「匿名・流動型犯罪グループ(通称トクリュウ)」が関与する福島県郡山市のガールズバーが24日深夜、県内で初めて摘発された風営法違反事件で、郡山署は25日午前0時20分ごろ、建造物損壊の疑いで本籍白河市、住所不定、アルバイトの男(21)を逮捕した。捜査関係者によると、男は24日に摘発された店に勤務するなどトクリュウの一員とみられ、同署が組織の実態解明を進める。
 逮捕容疑は、2月29日午後8時55分ごろ、郡山市大平町の知人方で、玄関の引き戸一式を壊した疑い。
 同署は男と知人の間に何らかのトラブルがあったとみて調べている。
 捜査関係者によると、同市のJR郡山駅前の繁華街では、トクリュウが悪質な客引きやぼったくりなどで資金を稼ぐ不法行為が複数確認されている。
 同署は男らの関与の有無などについても捜査する。
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 摘発された郡山市のガールズバーを巡っては、無許可で風俗店を営業したなどとして、郡山署が24日深夜、風営法違反の疑いで自称鏡石町岡ノ内、飲食店経営者の男(23)、自称浅川町蓑輪字山敷田、飲食店従業員の女(23)の両容疑者を逮捕していた。
 捜査関係者によると、2人は風営法違反について容疑を認めている。飲食店経営者の男が経営を担う一方、飲食店従業員の女は客への接待などで実質的に店長の役割を果たしていたという。飲食店経営者の男は昨年、同市に進出してきたトクリュウの中枢の一人で、同署はこのグループが複数の店舗を運営していたとみている。