周囲の評判がいい人の裏の顔を知ってしまったことはありませんか? いい印象を抱いていた人物ほど、裏の顔があるとショックは大きいもの。今回は、上司の意外な過去を知ってしまい、見る目が変わってしまった私の体験談をご紹介します。

人当たりがよい上司

上司のA男は仕事ができて、部下の面倒見も良いタイプ。周囲から好印象を抱かれていたし、私自身も良い上司だと思っていました。

あるとき、A男が仕事中に倒れてしまい、入院することになりました。
実はA男はバツイチの一人暮らし。バツイチの事実は周囲には隠しておらず、「性格の不一致で離婚した。娘が一人いるが、かわいそうなことをした」と説明していました。
A男が職場に提出していた緊急連絡先は、その一人娘のB子。私がB子に連絡することになりました。

愛娘に連絡すると?

私はB子に電話をし、A男が入院することになったことを伝え、病院の連絡先を告げようとしました。
ところがB子は父親を心配する様子は全くなく、冷たい口調で「急に連絡されても迷惑。そっちで何とかして」と突き放してきたのです。A男は飲み会でB子への愛情を語ることがあったので、その温度差に驚いてしまいました。

上司の裏の顔を知ってしまった

私が戸惑っていると、B子は苛立った口調でA男の裏の顔を暴露してきました。
A男は気に入らないことがあると大声を出して家族を威嚇したり、元妻に手を上げることがあり、それが理由で離婚したと言うのです。離婚後はB子は母親に育てられましたが、A男は十分な収入があるにもかかわらず、養育費を支払わなかったのだとか。B子と母親は苦労したそうで、B子は「あんな人、父親だなんて思ってない」と吐き捨てるように言ったのです。

上司を見る目が変わった

B子が語るA男は私が知っている姿と全く違っていたため、言葉を失いました。B子が嘘をついている可能性もありますが、本当のことなら娘から嫌われても仕方ありませんよね。
A男には他に親族がいなかったため、B子に手続きをしてもらうことになりましたが、B子には「こんなときだけ頼ってくるなんて」と文句を言われ、電話を切ったあとはグッタリでした。
上司のプライバシーに関することなので周囲に愚痴を言うこともできず、モヤモヤだけが残ったのです。

A男はその後職場に復帰しましたが、彼を見る目が変わってしまいました。B子から言われた「あの人の外面の良さに騙されるな」というセリフがチラついてしまうのです。
「好印象な人ほど裏の顔がある」と言いますが、本当かもしれません……。私は自分の人を見る目に自信をなくしてしまいました。

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:江田愉子