誰かから相談を受けたりトラブルの仲裁をしたりする時、中立的な立場を保つことってなかなか難しいですよね。どちらか一方からの意見だけでは真実が見えてこないこともよくあります。今回はそれを痛感したエピソードを筆者の友人が聞かせてくれました。

ママ友からモラ夫の相談をされ……

私は仲のいいママ友のM美から、ずっと彼女の夫に関する相談を受けてきました。
M美の夫は単身赴任で留守にしていることが多く滅多に会いませんが、極度のモラハラ気質でいつもM美を虐げてくるらしいのです。

気弱で優しいM美が夫からひどい扱いをされたり暴言を吐かれたりする話を聞いて、私は心を痛めていました。
いっそ離婚したら? とアドバイスしたこともあります。でもM美は「離婚はしたくない」「夫には私がいてあげないと」と健気でした。

ついに離婚成立

しかし数ヵ月後、ついにM美とモラハラ夫の離婚が成立!
M美は子どもを連れ、慌しく遠方の実家へと引っ越していきました。

バタバタしていて離婚に至るまでの経緯は結局詳しく聞けずじまいでしたが、私は「きっとM美がようやく夫に愛想を尽かしたんだろう」と思い、M美と子どもたちの未来が明るいものであるよう願っていました。

お互いに忙しく、それきりM美とは疎遠になっていたのですが……。

聞いてた話と違う?!

ある日、私は外出中にM美の元夫と偶然出会い、流れで話をすることになってしまいました。
すると元夫の口からはとんでもない言葉が!

なんと、モラハラしていたのは夫ではなく、M美のほうだったと言うのです。
M美は大人しそうな見た目とは裏腹に実はキツイ性格で、「これっぽっちの稼ぎでどうするの? ほんと役立たずだよね」「大した給料ももらってこないんだからせめて家事くらいやってよね!」などの発言が日常茶飯事だったそう。

そんな日々に、ついに夫のほうが疲れて離婚を持ちかけたんだとか……。

真実は一体どこに

M美は夫に離婚を言い渡されても、最初は拒否していたそうです。「調停を終えてやっと離婚できたのでホッとしている」と言う元夫。
私は混乱してしまい、そそくさとその場を後にしました。

「夫にモラハラされた」と言っていたM美と、「モラハラしていたのは妻のほう」と言う元夫。
どちらが真実なのかは今でも分かりません。
もちろん私としては友達であるM美の言葉を信じたいですが、もしかしたらM美に虚言癖があったかもしれないわけで。

偶然両者からの話を聞いたことで、「一体どっちが嘘をついているのだろう……」とゾッとした出来事でした。

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:藍沢ゆきの