100年を超える歴史を持ちながら常に進化し続ける「タカラヅカ」。そのなかで各組の生徒たちをまとめ、引っ張っていく存在が「組長」。史上最年少で月組の組長を務めた越乃リュウさんが、宝塚時代の思い出や学び、日常を綴ります。第72回は「追いたい背中」のお話です。 (写真提供◎越乃さん 以下すべて)

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前回「宝塚を退団、燃え尽きていた私を癒してくれた自然の力。スマホの写真で、7年前訪れた新潟県の法末を思い出す」はこちら

私の背中

「越乃さんは背中が大きいねー」
後ろから私の背中を見ていたピアニストさんが驚いたように言いました。

え!?そうなの?
私そんなに大きいの!?
小さいとはもちろん思ってないし、大きいのはある程度知ってるつもりだけど、そんなに驚かれるほど!?

「いや、あなたの背中は相当大きいですよ」

相当大きいのか…。

大きな背中は時に誉め言葉にもなりますが、私の場合は幅、面積、大きさです。
退団して普通の女性に戻ったつもりでいたので、なんだかショック…。
自分が思っている以上に大きいとは…。

この話をいろんな人にしたところ、全員が全員「何をいまさら言ってるんだ」という呆れた顔をして私を見ました。
さらに複雑な心情です。