◇メジャー第3戦◇全米オープン 事前(11日)◇パインハーストリゾート&CC パインハースト No.2(ノースカロライナ州)◇7548ヤード(パー70)

「全米オープン」に「日本オープン」…。ゴルフの大会名で頻繁に使われる“オープン”の名前を最初に博した大会は、最古のゴルフ競技「全英オープン」だったといいます。1860年の第1回大会は各地のゴルフ場に勤めていたプロゴルファーが集まってメダルを争いましたが、翌61年にアマチュア選手にも門戸を開いた(オープンした)ことが起源でした。

つまり、オープンはプロ・アマを問わず、どんなゴルファーにも参加するチャンスを設けている大会のこと。米国で行われる世界最高峰のオープン競技が「全米オープン」です。男子ゴルフにおける最も権威がある4大メジャー大会のひとつで、毎年6月に開催されます。第1回は1895年。当時は36ホールのストロープレーで競う1日競技で、72ホールの2日間競技(1日36ホールずつ)、3日間競技(最後に36ホール)を経て、1965年に現行の4日間競技になりました。

出場チャンスがどんなゴルファーにもあるとはいえ、本戦のフィールドは156人に設定されており、もちろんほとんどの選手がトッププロ。松山英樹選手らが普段プレーする米国のPGAツアーを筆頭に、各ツアーで好成績を残している選手、世界ランキングで上位の選手は事前に参加資格を得ます。

残りの出場枠を争うのが、予選会システムです。春から米国を中心に行われ、ハンディキャップが0.4以下のゴルファーであれば参加が可能。とはいえ、0.4ってかなりの上級者。ハンディキャップがひとケタのゴルファーを「シングルプレーヤー」と呼びますが、さらに“ケタ違い”のうまさの持ち主でしょう。地区予選会(2024年は109会場)を勝ち上がり、最終的に日本も含めた13会場での最終予選会を突破した選手たちが本戦にやってきます。一般アマチュアにとって、超一流選手と同じ舞台に立てる機会と考えれば夢があります。

比較として分かりやすいのが男子メジャーの他の大会。「マスターズ」は1934年の創設時、「オーガスタインビテーショナル(招待) トーナメント」として開催され、主催者が有望選手を招待する形で大会の格を上げていきました。また、「全米プロ選手権」はまさにプロゴルファーだけの試合で、アマチュアにはオープンではありません。

しかしながら、近年のマスターズは優秀なアマチュアが出場可能で、国内外でステップを踏み、「アジアパシフィックアマチュア選手権」などの大会で優勝すればオーガスタナショナルGCでプレーでき、各方面のルートが拡大しているのが実情です。