ワイパーモーター 脱着時にスピーカーがボロボロになっていたのを発見。どうやら音のビビリはエッジが切れていて、コーン紙が傾いてボイスコイルが当たっていると判断。普通なら高性能なものに交換したいが、ラジオを聴いている限り、この音の明瞭度はスピーカーにあると判断して修復を試みた。30年も前の劣悪環境で使われたスピーカーは復活できるか!
■ Photo&Text Masahiro Kan
手に入らない素材は和紙を使って代用
まずはスピーカーを実測しながら独特な楕円形状をイラストレーターで起こし、カットアンドトライで実際のスピーカーに当てはめてみて数値を出した。
こんなサイズのウレタンやゴムエッジは発売されているわけもなく、またオークションでマトモだろうスピーカーも千円程度だから、修復にできるだけ金をかけず、ダメなら、何かに交換しちゃおうということで「和紙」を選択。
和紙は繊維が長く、屈曲に対する耐久性が高く、オーディオマニアでさえエッジ交換に使用するほどの定番アイテムである。
その昔はセーム革なども流行し、最近ではゴムエッジをイチから製作という猛者もいるが、なんと言っても和紙は安い。
エッジ部分の楕円形状が決まったので、和紙を一度揉みくちゃにしてから軽く伸ばし、コーン紙の部分をカットしてエッジになるようにする。
コーン紙のエッジに相当する部分をデザインナイフで切り取ってから、和紙をコーン紙の裏側に挿入して接着のり代を確認して、問題なければ本接着となる。
ここはタイトボンドを水で50%希釈して、面相筆を使ってコーン紙裏側と和紙に塗る。
水分を含んだ和紙はシワが伸ばせるほど伸縮性があるので、コーン紙にぴったり密着させることができる。概ね5ミリほど接着できれば問題ない。
この時は密着性を良くするために、スピーカーのセンターキャップを押してフレームとツライチになるように段ボールの小片を積み重ねたものを用意した。
スピーカーを伏せて放置・乾燥すると、和紙が伸びてうまく密着してくれる。
和紙は紙の繊維が長くて耐折強度に優れているのでエッジに最適。一度手もみでくしゃくしゃに揉んで繊維を柔らかくしてから使用。
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著者:内外出版/オートメカニック