3年ごとに大規模調査が行われている厚労省の国民生活基礎調査によると、自覚症状では男女とも腰痛がトップ。これまでは男性は腰痛トップ、肩こりが2位、女性は肩こりトップ、腰痛が2位だったのが、女性の肩こりは減り、男性と同じく腰痛がトップになった。

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 腰痛の大半は、「座りすぎ」「同じ姿勢を長時間続ける」といった日常生活での不良姿勢が原因といわれる。時々立って、腰を伸ばしたりストレッチをできればベターだが、デスクワークが中心の人間にとって、言うはやすし、行うは難し。仕事が忙しくなってきたりすると、なおさらだ。

 そこで向かったのが、さまざまなお役立ちグッズがそろう「ハンズ新宿店」だ。広報部の高野真季さんによれば、新宿店の腰痛対策グッズの扱い数は約50種類(色違いやサイズ違いは別)。その内訳は、機能性クッション約30種類、姿勢改善用サポーター20種類、インナーウエア1種類。中でも、腰にかかる圧力を分散させたり、正しい座り方をアシストしたりする機能性クッションを求める客が多いとのこと。

 ヘルスケアグッズがある3階担当の栗原健さんが言う。

「在宅勤務が増えた頃から、腰痛対策グッズを求めるお客さまが世代にかかわらず、一層増えたように感じます。土日や仕事終わりの時間帯は特に混み合います。一般的なクッション、素材はジェルやビーズなどいろいろありますが、これらは座ったとき楽に感じる一方で、腰が沈み込むので長時間座り続ける仕事中には向いていないかもしれません。機能性クッションは骨盤を自然と立ててくれるので、やはり楽。お試し用もあるので、まず座ってみて、サイズなどを調べ、自宅や職場のイスで使えるかを確認してから、購入を決められる方も少なくありません」

座った瞬間、「これは!」と唸った

 記者、そして同行のカメラマンとも、ご多分に漏れず、腰痛持ち。座ってみて「これは!」と唸ったのが、「スタイル プレミアム デラックス」(税込み3万8280円)。「カイロプラクティックの理論に基づいた独自の姿勢サポート機能と、座り心地を追求した構造」と紹介されているのだが、座った瞬間、包み込まれるような感覚を覚えた。背中部分で腰が軽く押され、何とも気持ちいい。

「『スタイル』シリーズは、床置きの『ドクターチェア』(税込み3万8280円)も人気。『スタイル』は、最初からこれ狙いのお客さまがかなり多いです」(栗原さん)

 ただ、初めて機能性クッションを買うには“3万超え”はハードルが高い。

「1985年にアメリカで生まれ、2011年に日本にきたブランドが『バックジョイ』(写真)で、このシリーズはだいたい1万円前後。海外でも人気の機能性クッションです」(栗原さん)

 お面をひっくり返したような形、といえばわかるだろうか。縁が盛り上がり、真ん中部分がへこんでいる。

「これは、縁にお尻を乗せることで、骨盤が立ち上がる形状になっています。使い方を間違えてへこんだ部分にお尻を乗せると、骨盤が沈み込んでしまうので、お間違えのないよう」(栗原さん)

 座るとグラグラしそうな見かけだが、試してみるとそうでもない。骨盤がスッと立ち、自然といい姿勢を保てる。「スタイル」の“包み込み系”に対し、「バックジョイ」は“自分でバランスを取る系”か。「ハンズ新宿店」では、両者が機能性クッションとして人気を二分しているという。

 広報部の高野さんは「スタイルもバックジョイもどちらも使っています。整体で『骨盤が歪んでいる』とよく言われていて、それを何とかしたいと思ったのがきっかけです。もう4〜5年になります。腰が楽すぎてもはや機能性クッションは手放せない。慣れすぎて、機能性クッションがないイスに長時間座ると、腰痛になるんじゃないかと心配になります」。

 栗原さんはプライベートタイムは一日パソコンに向き合うことも多いそうで、「そんなときは姿勢改善のサポーターをつけ、機能性クッションを利用しています」。

 皆さんもぜひお試しを。