テレビ東京のバラエティー番組「タクシー運転手さん一番うまい店に連れてって!」(木曜・後6時25分)=穂苅雄太プロデューサー(38)

 男性層を中心に絶大な支持を得ている同番組。日曜日に特番として2回放送し、反響が大きかったことから2022年4月からレギュラー化された。放送3年目に突入したが「開始当初は本当に大変で試行錯誤の日々でした。コロナもあったのでお店側やドライバーさんに断られたり。放送できるのは、取材したうちの10分の1くらいでした。放送1年後くらいから、徐々に認知してもらえるようになりました」と振り返った。

 同番組は、約60人のディレクターが全国各地のタクシードライバーに「一番うまいご飯やさんに連れて行ってください」とお願いし、絶品グルメにありつくグルメドキュメンタリーだ。オンエアに至るまでにはこだわりも多く「誰もが知る超有名店や、調理シーンが撮影不可だったりすると、放送は難しい。撮影後にボツになることもあります。2か月間取材を重ねて、1回分の放送がようやく完成する感じですね」と明かした。

 4時間スペシャルなどで視聴者を飽きさせない秘けつもある。「(1店舗を)約6〜8分で完結させることもあり、献立も意識し、和洋中、バランスよく構成している」と説明した。

 「YouTubeのショート動画だったり、最近は短時間で見られるものが好まれるのかなと。後半にいくに連れて、1ネタ1時間のドライバーさんへの密着も挟んだり工夫しています」

 同番組は、他のテレビ局などへ放映権を販売する番組販売の上昇率が1位だという。機内で外国人観光客が番組を視聴し、店舗に興味を持つことも多いようだ。

 「日本に着いて、そのまま気になったお店に行ってくれる外国人の方もいるんです。台湾の方も番組をよく見てくれていますし、北海道や九州地方在住の方が、わざわざ関東圏のお店に足を運んでくれたりしています」

 認知度が高まり、人気番組となっても「現状にはまだまだ満足していない」。今後は、食フェスを開催することが目標だという。

 「『タクうまフェス』をいつかやってみたい。『コロナでやめようと思っていたけど、番組の反響があって続けることにした』と言ってくれるお店の方もいて、そういう言葉を聞くとうれしいですよね。取材に協力していただいたお店の方々を呼んで、近いうちに実現したいと思っています」(坂口 愛澄)