◆米大リーグ ダイヤモンドバックス―ドジャース(1日・米アリゾナ州フェニックス=チェースフィールド)

 ドジャース・大谷翔平投手(29)が1日(日本時間2日)、敵地Dバックス戦でスタメンから外れた。今季33試合目で移籍後初めてのこと。試合前のキャッチボールも公の場では確認できなかった。

 昨年9月に右肘手術を受けた大谷は今季、打者に専念。指名打者として試合出場を続ける一方で、試合前には投手としてのリハビリを行っている。主な動きとしては、2日に1回のペースで行われるキャッチボール。29日(同30日)の試合前には術後16度目の同練習を行い、最長約20メートルの距離から術後最多となる67球を投げ込んでいた。ペース的に見れば、この日は屋外で投球を行う日だったが、休養を優先するため、室内で軽めの練習に終始した可能性もある。

 試合前にロバーツ監督は先発外の理由について「翔平はルーチンのオフデーだ(特に何か問題があるわけではない)。毎日試合に出ていたので、休養を与えることは(今後の)助けになるはず。しかし、試合後半で何か(代打などの)機会があった時は彼は出場可能だ」と説明していた。

 30日(同5月1日)の同戦では激レアな“アクシデント”に見舞われた。屋根が開閉式のチェースフィールドでは屋根を開けての試合の準備を進められていたが、バックネット最上部などに蜂が大量に飛来。“蜂の巣”のような密集状態となり、試合開始直前に遅延が決定。一部の観客が避難するなど大騒ぎだった。車で45分の距離を大急ぎで駆けつけたのは害虫駆除会社勤務のマット・ヒルトンさん。現場に着くと、カートに乗ってバックネットまで移動。防護服を着てからクレーンで上昇し、蜂の大群を掃除機のような機械で吸い取った。クレーンで下降していく際には観客から大歓声を浴び、何度も左手でガッツポーズ。今季最速であろう「MVPコール」まで受け、始球式にも“緊急登板”するなど映画のような展開だった。

 1時間55分遅れで開始となった試合では、大谷は初回に2試合連続安打となる中前打を放ったが、そこから3打席連続三振。1試合3三振は今季初だった。蜂による珍ディレイに集中力が切れてしまったのか、ブンブンブンとバットが空を切った。同点の延長10回無死一、二塁では元ヤクルトのマクガフから二ゴロ。期待された“ハチ号”はお預けで、ド軍も延長10回に今季初のサヨナラ負けという散々な一日だった。