バレーボール男子日本代表は9日、オランダ合宿(17日まで)に向けて成田空港から出国した。世界ランク4位の日本男子は、今夏のパリ五輪前最後の国際大会となるネーションズリーグ(NL)1次リーグブラジル・ラウンド(R、21日開幕)に向け、オランダからそのまま乗り込む。ブラジルRでは21日(日本時間22日)に同6位のアルゼンチンと初戦を迎える。

 出国前に取材に応じた23歳のアウトサイドヒッター・大塚達宣(パナソニック)は「パリ五輪まで時間もそんなにない。公式戦でたくさんのお客さんの前で五輪に似たような雰囲気でできる試合も限られているので、1試合1試合を大事に戦っていきたい。1週目のブラジル・ラウンドとしてチームが勝ちに向かっていくところに、意識を向けてやっていきたいです」と決意を示した。

 昨年6〜7月のNLで主要国際大会では46年ぶりの銅メダルを獲得。昨秋のパリ五輪予選では16年ぶりの自力での出場権を手にした。主に控えスタートだった大塚は、フィンランドとの初戦の2―2で迎えた最終セット途中にコートに入り、攻守で流れを引き寄せる活躍を見せた。

 今季チームは「NLで昨季以上の成績」そして「パリ五輪でのメダル」に向けて、4月10日に始動。東京や沖縄で合宿を行ってきた。ブラジルRで対戦する世界ランク6位のアルゼンチン、同9位のセルビア、同11位のキューバ、同3位のイタリアはいずれも五輪切符をまだ手にしていない。「本気で向かってくるチームとやれる機会があるのはうれしいこと。そういう相手にしっかり勝負できたら面白いなと思います」と大塚は闘志を燃やした。

 イタリア1部セリエAでプレーオフを戦った主将の石川祐希(ミラノ)と高橋藍(らん、モンツァ)は、シーズンを終えたばかりのため、今回のオランダ合宿、ブラジルRの遠征には同行せずに別調整。14人で出発したが、石川と高橋藍が加わった場合のNL北九州Rでは2人が外れることになる。大塚は代表争いも意識しつつ、目の前の自身のパフォーマンスに集中する。「2人がいないと負けちゃうと思われるのは、選手全員嫌だと思う。自分のいいところで勝負したい。攻守両方で安定してプレーすることが大事になる」と気持ちを高めた。