巨人の戸郷翔征投手(24)が9日、前回本拠で3タテを食らったヤクルトへのリベンジを誓った。3連戦初戦の10日ヤクルト戦(神宮)に先発予定の右腕は「あの3人を抑えないとつながると思うのでそこは意識したい」とオスナ、村上、サンタナの強力クリーンアップを封じを宣言。快投でチームに勢いをつけて、敵地での3タテ返しを呼び込む。

 やられたままでは終われない。10日から始まる敵地・神宮でのヤクルト3連戦を前に阿部監督は「前回3連敗しているし、やり返すつもりでね」と力強く言い放った。前回4月29日から行われていた東京Dでのヤクルト戦は3連敗。リベンジを果たすべく、カード頭を任されたのはここまで6試合に登板し2勝1敗、防御率2・39の戸郷。9日はG球場でキャッチボールなどで調整し「毎回いろんなカードの頭を投げてますけど、そこの大事さも年々痛感してますし、そこを勝てばもっといい波乗れると思うので、意識したいなと思います」と自らの好投でチームを勢いづけることを誓った。

 カギとなるのは相手の強力クリーンアップだ。背番号20は「一番はあの3人かなと。オスナ、村上さん、サンタナ。あの3人を抑えないとつながると思うのでそこは意識したい」と警戒を強めた。前回のヤクルト3連戦でチームは計17失点でオスナ、村上、サンタナの3人に計14安打、10打点を許すなど打ち込まれた。ヤクルト戦での登板は今季初めてとなる右腕は「球場自体、ホームランがよく入ってる印象はあるので投球自体、低く行きたいなと思います」と丁寧な投球を心がける。前回登板の3日の阪神戦(東京D)では5回2/3、3失点で今季2勝目を挙げたが、3四球や2本の本塁打を浴びるなど納得いく投球とは言えなかった。「ちょっとだらしなかったので代えました」と指揮官から指摘を受けただけに改めて気合を入れ直した。「あれは心の問題だと思う。フォアボール出したところは痛かったですけど、修正はたくさんした」と前を向いた。

 今季の目標に「10完投」を掲げる右腕にとって刺激になることもあった。7日の中日戦(バンテリンD)では山崎伊が今季チーム初の完投、完封勝利を挙げた。「もちろんすごいし、いいピッチングしてたので、僕もやりたいなって気持ちですし、伊織さんに負けないように頑張りたいなと思います」。若きエースの心に火を付けた。

 現在、チームは首位阪神と0・5ゲーム差の2位。戸郷の後は11日にここまで3勝で防御率1・08の菅野、12日には2勝で防御率1・35の高橋礼が先発する。「首位に立てることが一番ですし、僕としてはゼロで抑えてチームの援護というのを待てればと思います」と戸郷。まずはエースの快投でスイープ返しを呼び込む。(水上 智恵)