フィギュアスケート男子の2010年バンクーバー五輪銅メダルで、アイスダンスでも活躍した高橋大輔さんが9日、現役引退を表明した宇野昌磨(トヨタ自動車)にねぎらいの言葉を贈った。所属事務所を通じて、コメントを発表。「僕自身、発表前に話は聞いていた。次のイタリア(26年ミラノ五輪)までやると思っていたのでビックリしたけど、彼なりの考えがあっての引退だと思うので。この先が楽しみなのと、長い現役生活、お疲れ様でした」と語った。

 宇野にとって高橋さんは、幼い頃からの憧れの存在。「小っちゃい時は、本当にかわいらしかった」とほほ笑む高橋さんは「成長していくにつれて、どんどん自分が思い描くものの強さというものは、強いなと端から見ていて感じた」と目を細めた。五輪2大会連続メダル、22・23年世界選手権では金メダルを獲得。宇野のスケートを、高橋さんは「4分が終わっても、もう一本、4分間できるんじゃないかなというくらい、最初から最後までパワーが落ちないスケートをすると思っていた。僕はそういう事はできなかったし、それをコンスタントにできる事がすごいな、と思っていつも見ていた」と振り返った。

 引退を発表した宇野だが、高橋さんは「僕も一回復帰しましたし、もう一回復帰できますから」と、自身が一度現役を引退後、2018年に競技復帰した経験を背景に“エール”。お互いに第一線で高め合う存在同士の時は、食事にも誘いづらかったと明かしつつ「一回ちょっと、サシじゃなくてもいいんですけど。強引でもいいから昌磨とご飯に行きたいですね」と、ラブコールを送っていた。