全日本プロレスは13日、東京・湯島の事務所で29日の後楽園ホール大会で三冠ヘビー級王者の安齊勇馬がチャンピオンカーニバル(CC)を優勝した宮原健斗と初防衛戦を行うことを発表した。

 5・12横浜BUNTAIで斉藤ジュンを倒しCCを5年ぶり2度目の制覇を達成した宮原は、試合後のリング上で安齊へ挑戦を表明していた。

 会見でCC優勝をファンに感謝した上でチャンピオンとしての3つの条件を明かした。1つ目が「プロレスラーらしい体格であること」2つ目が「ルックスがいいこと」。最後が「チャンピオンベルトが似合うこと」と披露。この持論を受け「ただし、俺から見て安齊勇馬は、どうやら三冠ベルトはまだ似合ってないね」と断じ、その理由を「この全日本プロレスには、世界で一番、チャンピオンベルトが似合う男がもういちゃっているからだ」と説き、自画自賛負した。

 続けて王者へ「格の違い」を突きつけ「三冠ベルトを巻くのはまだ、お前には早いんじゃないか?」と突きつけ「このベルトが重荷になっているんじゃないかなぁ。5月29日で楽になるから安心しなさい」とベルト奪還を宣言した。

 迎え撃つ安齊は、CC優勝の宮原をたたえた上で「尊敬はしていますが目標、あこがれは一切ありません」と断じ「宮原選手を超えたい勝ちたいと思っています」と迎撃に意欲。さらに宮原が掲げた三か条のチャンピオンに必要な条件に触れ「プロレスラーらしい体型。ルックスがいい…これは圧勝ですね」と胸を張り「ベルトが似合うかどうか?宮原選手が世界一ベルトが似合う男だったら俺が宮原選手に変わってベルトが似合う男になろうと思っています」と防衛を確約した。

 王者としての重圧を「プレッシャーは期待されれば面白い」と言い切り、ファンに「僕のチャンピオンロードを見せていきたい」と5・29後楽園の先を見据えていた。さらに宮原を「邪魔なオールド世代」と切り捨て「力付くで倒して僕を見せつけます」と王道マットにさらなる「新時代」到来を予告した。

 宮原は「オールド世代」とくくられたことに「俺はオールドなの?俺ってまだ35歳だよね。全然オールドじゃないよね。何でオールド世代に入れられるか。わかりますか?」と問いかけ「俺はここ数年、すごすぎる試合をして、世間にすごすぎる存在だと伝わり過ぎていて、このベルトを巻いている姿をみなさんが認識しすぎてオールド世代になっていると思うんだよね。まだやりたいこといっぱいあるし、そこらへんのオールド世代と一緒にするんじゃねぇ」と時代のトップである誇りを訴えた。

 この自負に王者は「オールドかどうかを気にしていることがオールドだと思います」と不敵に微笑んでいた。また会見が行われた5月13日は、2000年に急逝した全日本プロレスの偉大な先駆者で初代三冠王者のジャンボ鶴田さん(享年49)の命日。中大レスリング部の大先輩である鶴田さんに安齊は「過去のプロレスラーで『誰が一番強かったか?』という話をしたとして必ずジャンボ鶴田さんの名前が出てくると思うんです」と明かし「鶴田さんは大学の先輩として尊敬もしていますし、なおかつ僕もあのように(なりたい)、そして超えていきたいなという気持ちです」と誓った。