能登町越坂(おっさか)の旅館「能登九十九(つくも)湾百楽荘」は19日、約3カ月半ぶりに営業を再開した。地震で施設が被災し、休業を余儀なくされていたが、待ちわびた県内外の宿泊客が次々と訪れ、従業員の出迎えを受けた。

 地震で高台にある宿泊棟の被害は最小限にとどまったが、敷地内の専用道路が地割れや土砂崩れで車が通れず、水道管も破裂した。中でも被害が大きかったのは海沿いの敷地で、津波で半分ほどの約630平方メートルが水没したことで食事どころが使えなくなり、釣り桟橋も半壊した。

 完全な復旧には5億円以上がかかる見通しで、クラウドファンディングで協力を呼び掛けたところ、約9600万円が集まった。

 町内の宿泊施設約30カ所は断水の解消とともに少しずつ営業を再開している。