射水市中央町(新湊地域)の住民でつくる獅子舞保存会「獅子絵田獅子方衆(ししえでんししかたしゅう)」が3日、高岡市関本町の国宝「瑞龍寺」で獅子舞を奉納する。瑞龍寺で獅子舞が奉納されるのは初めてで、能登半島地震の復興を祈願する。獅子方衆は4月20日から練習に励んでおり、地震の影響を大きく受けた射水や高岡などの人に獅子舞を楽しんでもらおうと意気込んでいる。

  ●四津谷住職「多くの人笑顔に」

 天狗(てんぐ)方で高岡市職員の勝山理さん(38)は、市の事業で人材育成やまちづくりに取り組む「高岡熱中寺子屋」の設立に関わっており、当時の会場であった瑞龍寺を訪れるたびに「ここで獅子舞を奉納したい」との思いを深めた。

 獅子絵田獅子方衆は3日、11年ぶりに高岡市街地で開催される「高岡獅子舞大共演会」への参加も決まった。勝山さんが「震災復興を目的に奉納できればいい」と考え、4月上旬に四津谷道宏住職に要請した。

 四津谷住職は「若者を応援できればと思い承諾した。獅子舞で多くの人を笑顔にしてほしい」と快諾した。

 当日は仏殿前の参道で午前11時から、「なぎなた」や「傘かま」など10演目を奉納する。現在は射水市中央町の駐車場を使用し、年中から40代までの約40人が練習に汗を流している。小学生は切り子(踊り子)、中学生は獅子方として獅子頭の動かし方や動き方を学んでいる。

 瑞龍寺は大型連休期間中には大勢の観光客が訪れることが予想される。勝山さんは「新湊の獅子舞を見た人に迫力や魅力を伝えられるような奉納にしたい」と話した。