皇后さまは、15日、日本赤十字社の全国大会に、女性皇族方と出席されました。4月に日本赤十字社に就職した愛子さまは、皇族としての公務ではなく、職員として会場に入られました。

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15日、皇后さまが出席されたのは、自らが名誉総裁を務める、日本赤十字社の全国大会。

式典には、皇后さまと名誉副総裁の女性皇族方が臨み、皇后さまは、赤十字活動に功績のあった個人や団体の代表13人に、「有功章」を手渡されました。

その後、能登半島地震で、輪島市で炊き出しなどのボランティア活動を行った、石川県金沢市の大学4年生や、パレスチナ自治区のガザ地区に派遣された看護師による、活動報告が行われました。

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大阪赤十字病院 看護部 看護係長 川瀬佐知子さん

「特に激しい攻撃が続く時は、後悔しないよう、寝る前に家族にメッセージを送り、『もう目覚めないかもしれない』…そう覚悟を決めて、目をつむりました」

皇后さまと女性皇族方は、帰り際、活動報告を行った人に声をかけられました。

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大阪赤十字病院 看護部 看護係長 川瀬佐知子さん

「(皇后さまは)家族に連絡して、目をつぶったということを、もう一度聞いてくださって、『大変な環境だったんでしょう』とおっしゃられて…。本当に、うなずきながら、一生懸命聞いてくださる感じでした」

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式典が始まる約3時間前、4月に日本赤十字社に入社した愛子さまは、職員として、会場に入られました。

日本赤十字社は戦後、歴代の皇后が名誉総裁を務めるなど、皇室と関係が深いことで知られています。

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上皇后美智子さまが、結婚の2年後の1961年に、日本赤十字社本社を訪問されたときの映像では、上皇后さまはミシンの前に腰掛け、災害救助用の産着(うぶぎ)のミシン掛けをされました。

また、皇后雅子さまは、結婚の2年後の1995年に日赤を訪問し、看護実習室などを見学されています。

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そして2018年、「平成」最後の日本赤十字社の全国大会では、上皇后美智子さまが最後の出席となり、次期名誉総裁の皇后雅子さまに手を差し伸べて、2人でお辞儀される場面がありました。

上皇后さまから皇后さまへ、手を添えて引き継がれた、お仕事と“思い”……。

愛子さまは2022年、成年を迎えた記者会見で、ボランティアへの関心を述べられていました。

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愛子さま(2022年)

「ボランティアとして、被災地で活躍されている方々の様子をテレビなどの報道で目にしまして、人の役に立とうと懸命に活動されている姿に、非常に感銘を受けました」

去年10月には、天皇ご一家で初めて日本赤十字社の本社を訪問し、殉職した救護員の慰霊碑に、白いユリの花束を手向けられました。

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午後3時すぎに皇居に戻られた、愛子さま。

日本赤十字社では、ボランティアの育成などを行う事業局の「青少年・ボランティア課」に配属されていますが、15日の式典への参加について、宮内庁担当の記者は…

日本テレビ報道局 笛吹雅子 解説委員

「私たちから姿は見えなかったのですが、愛子さまは、きょうは行事を支えるスタッフの1人として、朝8時、早朝に入られました」

「行事がどのように行われているか、裏側が分かる貴重な体験だっただろうと思いますし、それを天皇陛下や皇后さまにお話しされることで、ご一家でより深い理解につながるのではないかと思いました」