2024年度のタイトル戦が開幕。まずは名人戦、叡王戦のダブル防衛戦。棋聖戦の挑戦者は山崎隆之八段に決まり、新鮮で楽しみなシリーズとなった。
※対局予定棋士の名前の後の()内は藤井から見た過去の対戦成績。

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4月7日に第9期叡王戦五番勝負第1局で伊藤匠七段と対戦。藤井が先手で角換わり腰掛け銀から伊藤は右玉へ組み直す。先手は玉頭を直撃されて怖い形での攻め合いとなったが、うまく危険をかいくぐりながら的確に攻め続けて制勝。最後は鮮やかな着地を決めた。
 
4月10、11日に第82期名人戦七番勝負第1局で豊島将之九段と対戦。藤井が先手で力戦調の横歩取りとなる。二日目の夕休憩に入っても差がつかないねじり合いだったが、陣形の差を生かして豊島が少しずつリードを奪う。手堅い指し回しに追い詰められる藤井だったが、終盤に訪れた一瞬のチャンスをとらえて逆転。時間切迫の中でも妙手を逃さず、一気に勝ちに持っていった。
 
4月20日に叡王戦第2局で伊藤七段と対戦。後手の藤井は角換わりから3三金型の早繰り銀を初採用。やや苦しい展開から一時は逆転するものの、最後は的確な寄せを浴びて敗戦。これで五番勝負は1勝1敗に。第3局は5月2日に行われた。
 
4月23、24日に名人戦第2局で豊島九段と対戦。相掛かりから豊島はひねり飛車模様に。藤井は新構想を見せて、少しずつペースをつかんでいく。そのまま押し切るかと思われたが、豊島の粘り強い指し回しの前にいつしか形勢は混沌。一時は逆転も許すが、最後の寄せ合いで抜け出してからくも勝利。七番勝負を2勝0敗とした。第3局は5月8日(水)、9日(木)に行われる。

名人戦、叡王戦で防衛を目指す藤井聡太
名人戦、叡王戦で防衛を目指す藤井聡太

ヒューリック杯第95期棋聖戦五番勝負の挑戦者は山崎隆之八段(1勝1敗)に決定。第1局は6月6日(木)に行われる。藤井にとっては初の永世称号が懸かる防衛戦だ。
 
第32期銀河戦本戦で藤井はHブロック最終戦に登場する。手前には近藤誠也七段、三浦弘行九段らが控えている。放映は秋の予定で、勝てば決勝トーナメント進出。
 
第74回NHK杯将棋トーナメント本戦の組み合わせが発表。藤井は2回戦で木村一基九段─西山朋佳女流三冠の勝者と対戦する。

ABEMA地域対抗戦で藤井は杉本昌隆八段率いるチーム中部に選抜。チームメイトは他に豊島将之九段、八代弥七段、服部慎一郎六段。
 
本戦準決勝ではチーム関東A (羽生善治九段、木村一基九段、佐々木勇気八段、近藤誠也七段、石井健太郎六段)と対戦。藤井は3勝1敗で迎えた2番手で登場。2連勝してチームの勝利を決めた。
 
決勝ではチーム関東B (渡辺明九段、森内俊之九段、永瀬拓矢九段、増田康宏八段、伊藤匠七段)と対戦。藤井は2番手で登場し、4連勝。チームは5勝1敗となり、優勝が決まった。今大会で通算の個人成績は15勝1敗と圧倒的な勝率を収めている。

4月1日に2023年度の将棋大賞が発表。藤井は4年連続で最優秀棋士賞を受賞。他に勝率1位賞、名局賞、名局賞特別賞を受賞している。

文=渡部壮大

放送情報【スカパー!】

第49期 棋王戦コナミグループ杯 五番勝負 第4局 藤井聡太棋王 vs 伊藤 匠七段
放送日時:5月31日(金)22:00〜
放送チャンネル:囲碁・将棋チャンネル
※放送スケジュールは変更になる場合があります

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