2人の刑事が無線機によって時空を超えてタッグを組み、未解決事件に挑む坂口健太郎主演の「シグナル 長期未解決事件捜査班」は、見応えのあるストーリーで人気となった韓国ドラマをリメイクした作品だ。

本作が連ドラ初主演となった坂口が演じているのは、警視庁未解決事件捜査班の三枝健人。2018年を生きる警部補・三枝と、1997年を生きる刑事・大山剛志(北村一輝)がひょんなことから無線機によって繋がり、現在と過去を結ぶやりとりが事件の鍵となることで、現在と過去、2つの世界を結んでいく。

ドラマの放送から約3年後には「劇場版シグナル 長期未解決事件捜査班」が公開された。

「劇場版シグナル 長期未解決事件捜査班」より
「劇場版シグナル 長期未解決事件捜査班」より

(C)2021「劇場版シグナル」製作委員会

劇場版の舞台は、2021年の東京。内閣情報調査室次長・三谷宗久(杉本哲太)の乗るハイヤーに何者かが毒ガスを仕込んだことにより、車は高速道路からの転落事故を起こす。その毒ガスは、2001年に多くの犠牲者を出した「西新宿テロ事件」で使用され、処分されたはずの「ヘロンガス」と同じものだった。

未解決事件捜査班の三枝は、2009年に法務省と防衛省の高官が突然死と思える交通事故を起こしていることに着目するが、その記録は処分済み。唯一、残されていた当時の資料も真っ黒に塗りつぶされてしまっていたが、目撃者に城南署の大山巡査部長の名前が記されていることを確認できた。三枝は、刑事の桜井美咲(吉瀬美智子)と共に、深い闇が横たわるこの事件に果敢に挑んでいく...。

■坂口が激しいアクションシーンに挑む!

(C)2021「劇場版シグナル」製作委員会

ドラマ版は韓国のリメイクだったが、劇場版はオリジナルストーリーで展開。坂口演じる三枝が謎の無線で2009年の大山(北村)に連絡をして、2人は再び連携をとり、事件の真相に迫っていく。

そして本作の大きな見どころは、権力によって隠蔽された事件に踏み込んでいく三枝が、命の危機に何度も襲われ、追手から逃げ、復讐のテロを止めるためにたった1人で戦うアクションシーン。公安部長から呼び出されて向かった倉庫では罠にハメられ、銃弾が飛び交う中で戦う。俊敏な動きで狭いシャッターの隙間をくぐって逃げるシーンや、ナイフで刺されながらも、テロを阻止するために死闘を繰り広げるシーンなど、手に汗を握らずにはいられない。身体を張ったアクションに挑んだ坂口は当時、映画の完成報告会で「本当に戦っているような、何度やられても立ち上がる三枝に感情移入しました」とコメント。誰にも助けを求めることができないギリギリの状況に立たされても、冷静さを失わず、血だらけで上司の桜井に状況報告をする演技が、坂口健太郎という俳優の持ち味を浮き彫りにする。

■三枝と大山の今と過去を飛び超えたバディも胸アツ

西新宿テロ事件で両親を失い、記者になった小泉ミチル(奈緒)、2009年の悲惨な交通事故で妻が亡くなり、娘が意識不明になった刑事部長の青木(伊原剛志)。
その事故を目撃して娘を救った大山。複雑に絡み合う事件を通し、正義感が強く人情に熱い大山と、その部下だった桜井、そして無線機で繋がる三枝と大山は時に笑い合い、時に涙を流しながら会話し、運命を変えるべく、違う時代で戦っていく。

独特の温度感と涼しげで物憂げな瞳が魅力の坂口。やりきれない世界の中、一筋の希望を浮かび上がらせる演技が新たな刑事像を生み出した。

文=山本弘子

放送情報【スカパー!】

劇場版シグナル 長期未解決事件捜査班
放送日時:2024年6月1日(土)21:00〜
チャンネル:映画・チャンネルNECO
※放送スケジュールは変更になる場合がございます

最新の放送情報はスカパー!公式サイトへ