行方産の米粉などを使用したバウムクーヘンを販売する洋菓子店「健康たっしゃか村 深作農園」(茨城県行方市玉造甲)がJAなめがたしおさい、行方市から依頼を受けて、ムラサキイモを使ったバウムクーヘンを開発した。「なめがた一番」と名付けられた新商品は、市をPRする新たな土産物としてだけではなく、ふるさと納税返礼品としての期待も高まっており、市は、早ければ6月下旬から返礼品として取り扱う考えだ。

同店は、同県鉾田市のコマツナ農家、深作秀喜さんが今年1月16日にオープン。米粉を使った商品やコマツナを使用したバウムクーヘンが好評を博し、1日当たり平均200個、最大300個売り上げている。JAと市は、30代の女性客を中心に幅広く人気を集めていることに着目し、「行方市の特産品であるサツマイモを使い、お土産品を作ってほしい」と店に協力を要請した。

2021年7月に品種登録された「ふくむらさき」のペーストと粉末を用いて2月から試作品を作り、試食するなどして新商品のイメージを少しずつ膨らませていった。約2カ月半かけて、ふわふわの食感と、しっとりとした口当たりが特徴のソフトタイプと、外はカリッとしていて中はもっちりのハードタイプのバウムクーヘン計3種類を完成させた。

そのうち、ムラサキイモや米粉を使ったハードタイプ2種類については「なめがた一番」という商品名でそれぞれ4月20日に発売。深作オーナーは「ムラサキイモ味は、米粉をメインにした生地にムラサキイモのペーストを練り込み、焼き上げた後にイモのパウダーをかけて仕上げた」。商品箱のデザインは「月光仮面」や「8(エイト)マン」などの作品で知られ、晩年を鉾田市で過ごした桑田二郎氏によるもので「桑田先生の名に負けないような商品をこれからも作っていきたい」と意気込む。人の手で丁寧に焼き上げられたバウムクーヘンは、6月20日に市内の子どもたちに学校給食として振る舞われる予定だ。問い合わせは同店(電)0299(57)2224。