こんにちは。恋愛・婚活コンサルタントの菊乃です。

これまで「変わりたい」「結婚したい」と相談に来られた1000人以上の方々のうち、4割ぐらいが「一度もお付き合い経験がない女性」。そして筆者自身も20代まで、化粧もせず髪もボサボサの“完全なる非モテ”でした。一念発起して自分を変え、皆さんの“もったいないところ”をアドバイスしてきた経験から、恋愛・婚活に役立つリアルな情報をお届けします。

絶対に損したくない女性が、ヤバい男を引き寄せる

 写真はイメージです(以下同じ)頂き女子りりちゃんのマニュアルがなにかと話題です。おぢ(=カモにできる中年男性)の見極めで、「テイカー」「マッチャ―」「ギバー」の3タイプのおぢの中でギバーを選ぼうという話がありました。テイカーとは自分の欲を満たすだけで、相手からやってもらえることばかり考えている人です。マッチャ―はやってもらったらやってやってあげようと考える人。ギバーは役に立つのが大好きな人です。

頂き女子りりちゃんのやったことに1ミリも共感はしませんけれども、恋愛の局面においてテイカー、マッチャ―、ギバーの3タイプを知っておくのが大事という点は同意します。というのも、婚活をしていてテイカーばかり引き当てる女性がいるのです。ただし、そういう女性は自身もテイカー気質で「絶対に損したくない」という気持ちが強い女性が多いです。

紗枝さん(仮名・37歳/年収400万円/秘書)もそんなテイカー女性でした。結婚相談所とマッチングアプリを併用していて婚活歴は2年以上です。癖が強い男性とばかり会っていました。

上から目線のプロフィール、しかも写真は「マスク」

紗枝さんのマッチングアプリのプロフィールには、だいぶ上から目線なことが書いてありました。一部をご紹介します。

「理想の夫婦は、対等な関係です。話し合いができる人と会いたいです。少しでもご興味を持っていただけたらいいねをお願いいたします。お話してみたいと思った方にはわたくしの方からいいねを返す様にいたします。結婚前提のお付き合いを考えており、婚活以外の方、宗教、勧誘はご遠慮ください

マスク理想は対等な関係とあるのに、年収欄は空欄でデートの支払い欄は「話し合って決める」を選択していました。マッチングアプリのデートの支払い欄は「割り勘」「男性が多く払う」「話し合って決める」から選べますが、話し合って決めるといって割り勘になることはあまりなく、実際に男性が多く払っているケースが多いようです。

さらにプロフィール写真は、いまだにマスク写真で登録していました。



アプリで女性の認知が歪み、ダメプロフィールにも気づけない

私は彼女に、プロフィールと写真の改善を提案しました。

「これはだいぶ上から目線で失礼なことを書いているから、この部分は全削除で書き直した方がいいですよ。それにちゃんと顔が見える写真を使いましょう。顔出ししたくないならシークレットモードにして自分からいいねを送る方法もありますよ」

「でも、さばききれないほど『いいね』が来るんですけど」

「マッチングアプリはそういうものですよ。顔写真さえ出せば40代女性でもいいねは数百来ますよ。相手の男性だって数十人に『いいね』を送って、マッチングした中で仕分けしてますよ」

男女平等?「自炊ができない」を理由に男性を振る

紗枝さんは、結婚してからも家事育児を平等に分担できる男性が理想なのだそうです。

キッチンで背を向け合うカップル結婚相談所で2人の男性と真剣交際までいき、その後関係を解消しています。1人目は美沙さんが35歳の時に出会った年収400万円・32歳のダイキさん(仮名)です。

ダイキさんはラーメンやとんかつが好きで、野菜をあまり食べなかったそうです。家事力を聞いたら「外食だらけであまり自炊はしない」と言っていたため、家事育児を分担できなそうと思ってお別れを決意したとか。

一人暮らしの独身男性ががっつり系メニューが好きで自炊はあまりしないなんて、よくあることだと思うのです。

「男性も変わるかもしれないし、紗枝さんからお願いしたら料理も覚える可能性あるじゃないですか」

「そういう人もいると思いますけど、確実に覚えるわけじゃないですよね

それ以来、「家事力があること」も条件に入れて探すようにした紗枝さん。さらにダイキさんと交際中、出産して所得が下がった時に生活していけないような気がして、相手の年収条件も「600万円以上」にアップしました。



結婚式に数百万円使うって無駄だよね

36歳の時には、年収700万円・40歳のコウスケさん(仮名)と真剣交際に進みました。

コウスケさんの仕事が忙しい時期と、紗枝さんの誕生日が重なっていました。それでもお祝いはしてもらいました。ただ、なにかと「決算で忙しい中で時間を作ったのに」と後から恩着せがましく言ってきたそうです。結婚の話も出ていたものの「たった一日のために数百万円使うって無駄だし、結婚式はしたくないから、しなくていいよね」などと言われます。

結婚式の新郎新婦話し合いにはならず、関係を解消しました。結婚相談所では真剣交際解消後のLINEのやり取りが禁止されています。しかし、コウスケさんからは「今まで紗枝さんに払ったデート代は○○円です。無駄になったから返してもらいたいぐらい」とLINEが来たそうです。

相手を試して信頼関係を壊すテイカー気質

コウスケさんと別れてから、「優しい男性」という条件も増えました。この間に紗枝さんの年齢は2歳上がりましたが、特に年収は増えていません。

会う男性の数が増えて相手の条件も増えるという婚活沼にハマると、結婚できないまま見る目だけが厳しくなり、年齢だけが上がってしまうのです。

「損したくない気持ちが強すぎて、確実そうな男性を探すほど、癖が強い人を引き当ててるよ。マインドを今すぐ変えるのは無理でも、プロフィール文と写真は直しましょう。平等な関係を築きたいなら、まずデートの支払いの欄も割り勘でしょう」

「そうですね」

紗枝さんはしぶしぶ、プロフィールを見直してくれました。



品定めしすぎるテイカーには、同じくテイカーが寄って来る

100%保証された出会いなどありません。確実にいい夫になることが保障されている男性など、どこにもいないのです。

信頼してくれる家族のために、苦手なことを頑張って覚えようとする男性はいると思います。それでも婚活では条件が先に見えるし比較検討できるから、損得を考えてしまうのは分かります。けれど、付き合ってもいない段階で“試してくる女性”に、まともな男性は寄ってきません。

頂き女子の「頂き」と「結婚」は、目指すところが180度異なります。結婚相手とは、損得ではなく支え合い、自分の居場所になるような家庭を作るパートナー。だから結婚相手は、ギバーならギバーと、同じ気質同士がだいたいくっつきます。完全に平等どうかを確認して、品定めしすぎる紗枝さんのようなテイカーには、テイカーが寄って来ちゃうのです。

※個人が特定されないよう一部脚色してあります。

<文/菊乃>

【菊乃】
恋愛・婚活コンサルタント、コラムニスト。29歳まで手抜きと個性を取り違えていたダメ女。低レベルからの女磨き、婚活を綴ったブログが「分かりやすい」と人気になり独立。ご相談にくる方の約4割は一度も交際経験がない女性。著書「あなたの『そこ』がもったいない。」他4冊。Twitter:@koakumamt