モーターショーなどでは、様々なコンセプトカーが発表され話題になります。2013年に開催された東京オートサロンに展示された「GRMN SPORTS FR Concept PLATINUM」はどのようなモデルだったのでしょうか。

まさかの「スープラ86」? GRMN SPORTS FR Concept PLATINUMとは

 ショーなどに展示されるコンセプトカーは荒唐無稽なハリボテから現実味溢れるリアルなものまで、その幅は非常に広くなっています。

 2013年に開催された東京オートサロンに展示された「GRMN SPORTS FR Concept PLATINUM」はどちらかというと後者に該当するリアルな1台でした。

 車名の通りFR、つまりフロントエンジンリアドライブのレイアウトを持ったスポーツモデルとして発表された同車は、前年5月に開催された第40回ニュルブルクリンク24時間耐久レースの会場でワールドプレミアがなされた「GRMN SPORTS FR Concept」をさらに進化させたもの。

 前年のモデルはベースとなった初代86の面影を色濃く残したスタイルとなっていましたが、新型は前後ライトなどを専用形状のものとしてイメージを一変。ボディカラーもホワイトからオリジナルカラーのプラチナシルバーとしています。

 ボディサイズは86よりも全長が長く、ワイド&ローな全長4350mm×全幅1855mm×1250mmで、86よりも明らかにグラマラスなスポーツカーらしいフォルムを纏っていました。

 パワートレインの詳細は明らかとなっていませんでしたが、1998ccの排気量のエンジンにターボとスーパーチャージャーを組み合わせたツインチャージャー仕様とアナウンスされており、最高出力330馬力、最大トルク44.0kgf・mを目標値に設定。

 組み合わされるトランスミッションは3ペダルの6速MTで、ワイド化された前後フェンダーの中にはフロント245,リア265サイズの18インチタイヤ&ホイールを飲み込み、専用チューニングのサスペンションやブレーキキット、機械式LSDなども装着し、高い走りのポテンシャルを感じさせていました。

 インテリアには3連の追加メーターや本格的なロールケージが張り巡らされるなどレーシーさを表現する一方で、ホワイトレザーのバケットシートやホワイトとブラックのレザーを組み合わせたステアリング&シフトノブなど、スポーツ走行に求められる機能を持ち合わせながらも所有する喜びを感じられるプレミアム感も持ち合わせた室内空間となっていたのもポイント。

 実際に走行シーンを収めた動画も存在し、ベース車が左ハンドルということもあってワールドワイドに販売される雰囲気を纏っており、オートサロンでは「スープラが持っていたスポーツカーの“憧れ”や“輝き”。その思いを現代に蘇らせたハイパフォーマンスコンセプトカー」としてスープラの再来を匂わせていました。

 しかし、スープラは2019年にBMWとの共同開発車として復活しており、GRMN SPORTS FR Concept PLATINUMが日の目を見ることは残念ながら叶いませんでした。