大型連休中は、必ずと言ってもよいほどに高速道路が渋滞します。報道では「最長で下りは45km、上りは30kmの渋滞が起きる可能性がある」といった内容を放送していることも。では、左・中・右のうち、どの車線を選べばよいのでしょうか。

高速道路の渋滞で話題になりやすい「左車線」「真ん中車線」「右車線」のどれが早いか問題…NEXCO中日本の回答は?

 ゴールデンウイークや年末年始などの連休は、どうしても高速道路が渋滞しがち。
 
 そんなとき、少しでもはやく走りたいなら、左・中・右のうち、どの車線を選べばよいのでしょうか。

 連休中は、必ずと言ってもよいほどに高速道路が渋滞します。

 報道では「最長で下りは45km、上りは30kmの渋滞が起きる可能性がある」といった内容を放送していることも。

 45kmや30kmの渋滞と聞くだけで、ストレスを感じそうですが、少しでもはやく走るためにできる工夫はあるのでしょうか。

 また、高速道路の渋滞では「左車線」「真ん中車線」「右車線」のうち、「どの車線が1番早いか」ということについてよく議論されます。

 このことについて、NEXCO中日本の担当者は以下のように話します。

「車線によって進むはやさが変わることはないと考えております。

 ただし渋滞は、追い越し車線から発生しやすい傾向にあるため、キープレフトを心がけていただければと思います」

 渋滞は、少しでもはやく進もうとして、追い越し車線に無理な割り込みをするドライバーが一部いることも原因のひとつとなっているようです。

 高速道路で掲示されている横断幕には「追い越し車線から渋滞が始まる」と書かれていることもあり、「はやく進みたい」という気持ちがかえって渋滞を深刻化させている様子がうかがえます。

 高速道路の渋滞にはまってしまうと、右車線で追い越しをしようと考えるドライバーもいるかもしれませんが、追い越し車線にクルマが集中して、かえって渋滞が発生しやすくなってしまいます。

 渋滞を可能な限り緩和させるためにも、キープレフトを守る気持ちが大切なようです。

渋滞にはまったとき、やってはいけない行為とは

 ゴールデンウィーク中などは渋滞が深刻になり、少しでもはやく走行したいという人も多いかもしれませんが、そもそもなぜ渋滞は発生するのでしょうか。

 渋滞が発生する原因のひとつは、サグとされています。サグとは、下り坂から上り坂に勾配が変化する場所のこと。

 このようなサグや上り坂では、ドライバーが無意識のうちに速度を下げていることが多く、そのクルマの後続車がブレーキを踏んでいることが原因になって渋滞が発生しています。

 NEXCOでは、サグや上り坂のところに「ここが渋滞ポイント」や「速度低下に注意」などの注意喚起の標識やLED表示板を設置しています。

 こういった標識や掲示板を見かけたときは、意識的に速度を下げないように注意する必要がありそうです。

 また、合流部付近でも、渋滞は発生しやすくなっています。合流部付近では、合流車に合わせて走行車線の後続車がスピードを落とす必要があります。その結果、走行車線の流れが停滞して渋滞が発生することに。

 また、渋滞にはまって、イライラしたドライバーや少しでもはやく進みたいと思ったドライバーのある行為によって、さらに渋滞が深刻化することもあるようです。

 渋滞中の高速道路を走行する際に避けるべき行為について、NEXCO中日本は以下のように話します。

「むやみに車線変更することや追い越し車線に留まることは、渋滞を発生および悪化させる原因となる可能性がございますので、避けてください。

 なお、渋滞している合流箇所では『一番先で』『交互に』合流するファスナー合流をおこなっていただければと思います」

 ファスナー合流とは、高速道路の合流部で合流車線と本線のクルマが1台ずつ交互に合流すること。

 合流車線と本線のクルマがそれぞれバラバラのタイミングで合流していると、本線を走行しているクルマがブレーキを踏む回数が多くなってしまい、渋滞が深刻化します。

 渋滞にはまっていると、どうしてもイライラしてしまうこともありますが、自動車教習所でも学んだ「キープレフト」や「ファスナー合流」の意識を持つことが重要だと言えます。

 ゴールデンウイークや年末年始などの連休は、渋滞が発生しがちですが、ドライバーひとりひとりの意識を変えることで、少しでも渋滞が緩和されるかもしれません。

※ ※ ※

 渋滞時、左車線・真ん中車線・右車線のうち、どの車線が一番はやいかということが話題に挙がることもありますが、車線によって進むはやさが変わることはないとされています。

 そのため、無理な追い越し車線への割り込みをするのではなく、サグで速度を下げないといったことに意識を向けるとよいでしょう。