ホンダ「オデッセイ」の最上級グレードはどのようなモデルなのでしょうか。

専用ブラックパーツで精悍に

 ホンダが2023年12月に発売した「オデッセイ」は、2年ぶりの国内復活を果たしホンダにおけるフラッグシップミニバンとして展開されています。
 
 なかでも最上級グレードはどのようなモデルなのでしょうか。

 オデッセイは1994年に登場後、背の低いスタイリッシュなデザインにセダン並みの快適性能と走行性能を両立したことで人気を獲得します。

 最新モデルは2013年11月に登場した5代目です。歴代モデルの乗り心地や走行性能は踏襲しつつ、国内モデル初の両側スライドドアを採用したほか、ボディサイズを拡大。

 さらに、メッキを用いた堂々としたフロントフェイスや上質な内装を採用するなど、ミディアムクラスからラージクラスへと進化しています。

 その後は、2モーターハイブリッドモデル(のちに「e:HEV」という名称を使用)の追加や、2020年11月にはデザイン変更と先進運転支援「ホンダ センシング」機能向上を含めた大規模な改良が実施されています。

 しかし、改良から1年ほど経過した2021年末、生産工場である狭山工場(埼玉県)の閉鎖に伴い、生産を終了。同時に国内での販売も終了しました。

 その一方で、中大型ミニバンのニーズが依然として残っていることや、販売現場やユーザーからオデッセイ復活を求める声が寄せられていたことから、国内での販売が復活することとなりました。

 新型は、国内生産終了後も中国で継続生産されていた改良型で、ホンダが日本国内で販売するモデルとしては初めての中国生産車だと言います。

 エクステリアではフロントフェイスが刷新され、横バーが5本になり、ホンダエンブレムが前方に突出した形状の新デザインのフロントグリルを採用。

 インテリアでは2列目シートに2人がけのキャプテンシートを装備しますが、リクライニングやオットマンに電動調整機能を採用。きめ細かい調整が可能になりました。

 加えて左右のシートヒーターやドリンクホルダー付きの格納式センターテーブル、USB充電ソケットが新たに装備されました。

 運転席周りでは、アクセルオフ時の減速の調整が可能な「減速セレクター」を装備し、スイッチ式シフト「エレクトリックギアセレクター」がオデッセイで初めて採用されています。

 ホンダ センシングは、フロントカメラを広角化して検知精度を向上。交差点右折時の対向車や横断自転車、夜間の歩行者検知が可能になったほか、近距離衝突軽減ブレーキ、オートハイビーム、急アクセル抑制機能が設定され、安全性能が向上しています。

 そのほか、コネクテッド機能「ホンダコネクト」の搭載により、エアコンやドアロック、緊急通報やロードサービスの要請などが行えます。

 ラインナップは、2リッターエンジン+2モーターハイブリッドを搭載するe:HEVモデルに絞られ、グレードもエアロタイプ「アブソルート」のみとなっています。

 このうち最上級モデルは「e:HEV アブソルート EX BLACK EDITION(ブラックエディション)」で、価格(消費税込)は516万4500円です。

 ブラックエディションは新型で初めて設定されたタイプで、エクステリアやインテリアの各部がブラックアウトされ、精悍なイメージを高めています。

 エクステリアでは、フロントグリルやフロントバンパーのモール、ドア下部のガーニッシュなどに専用のブラッククロームメッキを装着。

 さらに、専用ブラックリアエンブレム、フォーマルブラックのドアミラー、スモークのテールランプ、ブラックの18インチ専用ホイールを装備し、標準モデルよりも引き締まった印象を与えています。

 インテリアでは、ルーフやピラーが専用のブラックとなり、インパネやドアの加飾パネルなどに黒木目調をあしらったほか、ブラッククロームメッキのエアコンパネル、プラチナクロームメッキのインナードアハンドルを装着。室内も黒一色で統一しています。

 そのほか、前席左右と後席でエアコンを独自にコントロールできるトリプルゾーンエアコンや本革内装、運転席大型アームレストなども装備され、充実した内容になっています。

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 なお、製造国である中国では3列目シートを廃した4人乗り仕様をラインナップしています。

 この4人乗り仕様では、前席と後席の間に19インチモニター付きパーティションが設けられ、シート自体も大型のセンターコンソールや操作パネルが設けられるなど、最上級ミニバンらしい仕上がりです。