初夏になると日によっては真夏並みに暑い時も出てきます。また太陽に少しでも当たっていると車内は高温になりますが、そんな車内をすぐに冷やす方法はあるのでしょうか。

車内の温度を下げるためには何をすれば良い?

 徐々に蒸し暑い気候が続くようになってきました。しばらく放置していたクルマに乗り込むときに車内の暑さが気になるという人も増えているかもしれません。
 
 そんなとき、すぐに車内を冷やす効率的な方法はあるのでしょうか。

 ここ最近は気温が高い日が続き、日中は夏並みに暑い日もあります。電車や公共施設でも冷房をつけるところが増えてきました。

 そのため、クルマに乗る時にもエアコンをつけ始めるようになったという人も多いでしょう。

 しかし、エアコンをつけてから車内が涼しくなるまでに少し時間がかかります。

 また、屋外に駐車していて、いざクルマに乗り込むと密閉された空間に日差しが入り、その熱を逃すまで車内の高温状態が続きます。

 では、車内の温度を早く下げるために効率的な方法はあるのでしょうか。

 実は、この疑問に対し、実際に JAFが2016年に実験を行っています。

 同じクルマを5台用意し、車内温度が55℃になったタイミングでそれぞれ別の方法で車内の温度を下げ、温度変化を測定しました。

 この実験で試された方法は、「ドア開閉」「冷却スプレー」「外気導入」「内気循環」「エアコン+走行」です。

 その結果、最も車内温度を下げることができたのが「エアコン+走行」で、実験開始から5分で28度と半分近くまで下がりました。

 この「エアコン+走行」というのは、「窓を全開にして 車のエアコン(オート)を外気導入、温度設定はLo(最低)にして走行し、2分後に窓を閉め、エアコンを内気循環にして3分間走行する」という方法で行われています。

 この結果から、車内を効率よく下げる方法について、 JAFの担当者は以下のように話します。

「実験結果としては『エアコン+走行』が最も早く温度を下げることができました。

 窓を全開にしてエアコンを外気導入にして走り出し、車内の熱気を出したら窓を閉め、内気循環にして冷やすことが最も効率的な方法であるといえます」

車内温度を効率よく下げるには? エアコンの機能を使いこなす方法とは

 JAFの実験から、「エアコン+走行」が最も早く温度を下げる方法だということが分りました。

 このとき、早く車内温度を下げるポイントは「車内の熱気を外に逃すこと」です。

 そのために、「外気導入」と「内気循環」を活用することが大切です。

 外気導入では車外の空気を取り込んで換気を行います。一方で、内気循環では密閉された車内の空気を循環させます。

 そのため、まずは窓を開けて外気導入モードにし、車内の熱を外に出し切ります。

 そして、窓を閉めて外気導入により取り込んだ車外の涼しい空気を内気循環によって回すというわけです。

 ただし、長時間内気循環にしたままだと、中に乗っている人の呼吸によって二酸化炭素濃度が高くなる恐れがあります。

 眠気や頭痛の原因になるので、定期的に窓を開けたり外気導入に切り替えたりしましょう。

 また、エアコンをつける時は、「A/Cボタン」を押すことを忘れてはいけません。

 ACボタンとは「Air Conditioning(エアーコンディショニング)」の略名で、このボタンを押すことでコンプレッサーが作動してエンジン内の空気が冷却され、冷たい風が送られてきます。

 このボタンを押さないと、ただ風が送られてくるだけで冷たくはならないので、注意が必要です。

 また、近年ではAUTOボタンにより自動で車内温度を調節できるクルマも普及しているので、温度調節の手間を省きたいという人は活用してみるといいかもしれません。

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 JAFの実験結果によると、車内温度をなるべく早く下げるには、「エアコン+走行」が有効的だということが分かります。

 この時、ポイントとなるのは外気導入と内気循環の使い分けです。

 また、外の気温がそこまで暑くなかったとしても、車内温度が高くなる可能性があります。

 そのため、車内に子どもや高齢者、ペットを残したままクルマを離れることがないように注意しましょう。