【ロンドン共同】ウクライナがロシア国内の攻撃に欧米供与兵器の使用を解禁する可能性が出ている。これまで認めなかった北大西洋条約機構(NATO)側が最近、相次ぎ使用を容認。主力だった国産無人機に代わり長射程で強力なミサイルを撃ち込むことができれば、ウクライナ東部で攻勢を強めるロシアへの反撃の糸口となりそうだ。

 欧米は巡航ミサイル「ストームシャドー」(英国、射程250キロ)、スカルプ(フランス、射程同)、地対地ミサイル「ATACMS(エイタクムス)」(米国、最大射程300キロ)を供与。クリミア半島などロシアが支配するウクライナ領内での使用に限られロシア国内への攻撃には主に国産無人機を使ってきた。

 ウクライナは欧米兵器での反撃を認めるよう再三要請。これに対し、欧米諸国はロシアを刺激するとの懸念から慎重姿勢を崩してこなかった。

 だが、5月にキャメロン英外相がウクライナには供与兵器をロシア国内に使用する「権利がある」と発言し、潮目が変わった。「供与した武器をどう使うかはウクライナが判断する」とした。