2013年に58人が死傷した露店爆発事故が起きて以降中止していた花火大会について、京都府福知山市は15日、条件付きで市内の由良川河川敷での再開を容認すると発表した。開催は、公共性の高い団体でつくる実行委員会形式に限定。市は後援の立場で関与し、安全対策の助言・指導を担う。


 花火大会の再開について、市の諮問組織が市民アンケート、被害者へのヒアリングなどを経て、4月に提言書を市に提出。市はこの内容を基に方針をまとめた。


 市はこの日、主催者に求める条件を示した。花火は当面、事故以前の6千発ではなく2千発程度▽事故が起きた河川敷を禁じるといった露店の出店規制▽雑踏や交通、救護対策での十分な安全確保―などを挙げた。


 事故前の花火大会で共催の立場だった市は「主催や共催、実行委への参画は時期尚早」とし、再開では後援にとどまる。


 会見で大橋一夫市長は「単なる名義貸しではなく、被害者救済や安全対策で関与していく」と強調。大会終了後、検証会議を立ち上げて安全対策や経済効果を分析する。事故が万が一発生した際に相談窓口を設置する方針。


 諮問組織の会長を務めた京都産業大の浦中千佳央教授は「事故を繰り返さないよう、教訓を後世に伝え、市民も参画して安全な花火大会にしてほしい」と述べた。


 同市では、任期満了に伴う市長選挙が6月2日告示、9日投開票の日程で実施される。