明治から昭和初期にかけて、現在の京都府南丹市園部町にあった「桐ノ庄村」の歴史を伝える「元桐ノ庄村記念公園」が完成した。公園内には村の歴史を伝える記念碑や案内板を新設した。


 桐ノ庄村は、現在の京都縦貫自動車道園部インターや京都新光悦村のある園部町北東部に、1889(明治22)年から1929(昭和4)年まであった。


 記念公園は、明治期にあった桐ノ庄尋常小に近い京都新光悦村内「健楽憩(たのし)の園」の広場を南丹市が提供。ふるさと納税を含む520万円を用いて、地元の住民たちでつくる桐ノ庄郷(さと)振興会が整備した。


 村の歴史を調べて案内板に刻んだほか、同小の流れをくむ園部第二尋常高等小の校歌を刻んだ石碑を新設した。また、桐ノ庄尋常小をしのぶために1972年に作られた門柱1対を、保管していた南丹市役所から移設した。


 11日に現地で完成式典があり、住民らが祝った。同振興会の中川圭一会長(81)は「もう60代の人でも桐ノ庄のことを知る人はいない。公園をきっかけに、地域の歴史が知られ、新たなまちづくりにつながれば」と願った。