@cosmeベストコスメアワード2024下半期トレンド予測

「アイスタイル」が「@cosmeベストコスメアワード2024下半期トレンド予測」を公開しました。今回、5つのキーワードとして「おくち美活動」「旅備コスメ」「コンシーラー七変化」「成分フリーpick」「バリュパ消費」が発表されました。

「@cosmeベストコスメアワード2024下半期トレンド予測」は、@cosmeに投稿されたクチコミや@cosme STORE/@cosme TOKYO、@cosme OSAKAでの売り上げ等の分析、その他ユーザーアンケートなど関連情報からみえる生活者の意識変化と美容プラットフォーマーとしての知見から、今後の生活者インサイトや美容トレンドを予測するべく発足された「@cosmeトレンド予測部」が、2024年の下半期のトレンドをキーワード化したものです。

 今回ネクストトレンドとしてあがった、5つのキーワードについて、「@cosme」が6,212人のユーザーを対象に行った調査データを参照しながら、一つずつ解説していきます!

おくち美活動

 コロナ禍のマスク生活で、口臭対策アイテムや、歯科矯正といったようにオーラルケア全般に注目が集まったことをきっかけに、今も売り上げは好調となっているそう。「オーラルケアは美容の一部だと思う」に対しては、全体50.5%のユーザーが「はい」と回答しています。美容市場でも、さまざまな用途や種類のオーラルケアアイテムが増加しています。SNSでバズったタブレット型歯磨きアイテムが「無印良品」「ラッシュ」から販売されるほか、歯の美容液、舌クリーナー、お悩み別の特化歯磨き粉が登場するなど、アイテムの幅が広がってきています。もはやオーラルケアは、健康維持や衛生といった目的を超えた存在になりつつあることがうかがえます。

旅備コスメ

 おでかけが活発になっている今。これから夏に向けてさらに「旅」に注目が集まっています。@cosmeの調べによると「旅行用」というワードの出現率が昨対1.3倍増になるなど、需要が高まっていることが判明しています。消費者は旅にいく際に荷物を最大限に少なくしたいという要望が多いようで“旅行時に便利”という理由でコスメが選ばれる背景も分析されています。

 また、旅行先に役立つコスメは防災時の備えにもいいという声があがっていました。アイテムの代表例として、「ドライシャンプー」「シートマスク」「オーラルケア」「デリケートゾーンケア」「ミニサイズ」「オールインワンアイテム」が、万能アイテムとして注目されていました。「災害などのニュースを見て化粧品(ヘアケア・ボディケア含む)も備えておいた方がよいと思うことがある」について、全体の35.9%が「はい」と回答していることも分かりました。

コンシーラー七変化

 コンシーラーと聞くと、シミやクマなど“気になる部分を隠す”という目的で考える人が大多数だと思います。ところが、最近ではコンシーラーの概念が覆ってきていることが判明しています。実際の調査でも、“気になる部分を隠す”以外の目的でコンシーラーを使用しているについて「はい」と24.9%が回答しています。10代では、30.7%が回答していました。コンシーラーの多様化が進んでいく中、みんなはどのように使っているかというと…立体感や陰影をつくることに活用しているようです。2024年に入ってからは、ハイライトとコンシーラーが合体したものや、涙袋・眉コンシーラー、立体感・陰影をつくるコンシーラーといった豊富なアイテムが登場しています。

成分フリーpick

 2020年コロナ禍の影響で、マスク生活を通して肌荒れに悩まされる人が増加しました。そんな中、肌荒れの鎮静効果を期待できる成分として、韓国発の「CICA(シカ)」成分が大ブームを巻き起こしていました。それ以降も、「レチノール」や「ナイアシンアミド」「ビタミンC」といったように、配合されている成分に注目が高まっていきました。ユーザー調査では、「成分を意識して化粧品を選ぶことが増えた」について43.1%が「はい」と回答していました。昨今では、美容感度の高い人たちの中で、あえて特定の成分が入っていない「○○フリー」商品を好む傾向にあることも分析されています。例えば、「酸化亜鉛フリー」「グリセリンフリー」「タルクフリー」「サルフェートフリー」のようなワードの出現率が上昇傾向にあるようです。

バリュパ消費

 昨今、ファッション・フィットネス・食事・趣味など、あらゆるシーンにおいて“タイパ”(タイムパフォーマンス)を意識したサービスや商品展開が加速傾向にあります。美容業界でも同様に、そのような動きが見られていると@cosmeは分析しています。出現率で見ていくと、“タイパ”というワードが昨年の7倍にも上っているとのこと。

“タイパ”と聞くと、=時短と捉えがちですが、ユーザーに対して「あなたにとって、化粧品や美容における『時短』と『タイパ』は違う意味だと思う」に関する調査を行うと、全体の36.3%が「はい」と回答していました。また、「多少時間やお金、手間がかかっても価値のあるものを手にしたいと思う」という設問では、46.7%が「はい」と回答していました。このような背景から、@cosmeは「本質的タイパ」を求める消費者傾向について、“バリュパ消費”と名付けました。美容においての“タイパ”は、“ただの時短”では消費者の心を動かすことは難しいという点、初期費用が多少かかったとしてもそれなりのリターンを得られる事が、美容業界における本当の意味での“タイパ”と呼べるのではないかと分析されていました。

 このように、美容業界では時代の変化とともに、消費者のニーズも日々変化していることが見受けられますね。この結果を踏まえて、今後コスメの注目度がどのように変化を遂げていくのかますます目が離せませんね。

(LASISA編集部)