すでに各地で夏日が記録されているように、今年も厳しい暑さが予想されます。

ある研究によると、室温22℃と30℃の環境で作業した場合、30℃の環境では生産性が約9%近くも低下したのだとか!

自宅で快適に仕事をしたり質の高い睡眠をとるためには、エアコンの活用はマスト。だからこそ、しっかり押さえておきたいのがエアコンの正しい節電法です。

機能を最大限活かしつつ電気代を抑えるためのTipsをおさらいしておきましょう。

節電につながる具体的な行動はこれ!

  1. 風量は「自動」が正解。1カ月で990円の節約に
  2. 節電効果が高いのは、風量を強くする>設定温度を下げる
  3. 風向きは「水平」が◎、「ななめ下」はNG!
  4. エアコンをつける前に新習慣「換気」をプラスして!

約6割がエアコンの節電方法を誤解!?

2023年にダイキン工業が行なった実態調査によると、約6割がエアコンの節電方法を誤解しているそう!

内訳をみてみると、エアコン+扇風機・サーキュレーターの併用、フィルター掃除の重要性などは認知度が高まっている一方、エアコンの風量設定や風向き、室外機の扱いについてはまだ誤認識が多い様子。

そこでダイキンはこの度、誤解のある節電術について検証を行ない、実際の節電効果を調べてみたというのです。その結果を元に、すぐに使える正しい節電法をまとめて解説していきます。

風量は「自動」が正解。1カ月で990円の節約に

まずは誤解のある節電術ランキング1位、風量設定について。

検証実験にてエアコン冷房の風量「弱」と風量「自動」の消費電力量を比較した結果、「自動」の方が消費電力が3割も少ないという結果。1カ月に換算すると約990円の節約に!

Image: ダイキン工業

ポイントはエアコンの仕組みにあるのだとか。

風量「弱」にすると、室内機の中にある冷たくなった熱交換器を通過する空気の量が減り部屋の中を涼しくするのに時間がかかるからです。そのため、風量「自動」に比べて風量「弱」の方が、圧縮機※の運転にかかる負荷が増加し、より多くの電気を使ってしまうことになります 

※圧縮機 室外機にあるエアコンの心臓部ともいえる部品。エアコンの消費電力の約8割は圧縮機で使われる。

風量が少ない=電気量が減る、とイメージしがちですが、逆に圧縮機の負担を増やしてしまうことに。今のうちに自宅や職場のリモコンは「自動」に設定しておくと安心です。

エアコンをつけていても暑い…節電効果が高いのは、風量を強くする>設定温度を下げる

「冷房をつけていても暑い…」そんな時すぐに設定温度を下げていませんか?

次に検証したのは 、温度設定を1℃下げるのと、風量設定を「強」にするのとでは、どちらが節電効果が高いのか?という問い。

結果、風量「強」にしたほうが消費電力量が約半分になることがわかりました。

Image: ダイキン工業

風量を強にすると吹き出し口からの風が強まり、電力を多く使用しているように感じますが、意外にも設定温度を下げるための消費電力からすればわずかなのだそう。

今後暑さを感じたら、風量を強めて体感温度を下げる工夫をしてみましょう。

風量を強にしても暑い場合は室内の湿度にも要注意。湿度計などツールで見える化するのもオススメです。

▼詳しくはこちら

「室温は低いのにムシムシする」ダイキン工業が明かす体感温度を4℃下げる方法 | ライフハッカー・ジャパン https://www.lifehacker.jp/article/2307-humidity-control/

風向きは「水平」が◎、「ななめ下」はNG!

続いてはエアコン冷房の風向設定について。空気を循環させる=風向きは「ななめ下」、と誤解している人も多いようですが、より節電になる風向きは「水平」です。

実証実験では、ななめ下と比べると消費電力量が約3割少なく、1カ月換算だと約930円電気代が安くなる、というデータに。

これには空気の特性が関連しています。

Image: ダイキン工業

冷たい空気は床付近にたまりやすい性質があり、風向きをななめ下にすると足元に冷気が滞留してしまうそう。

部屋全体を効率的に冷やすためにも風向きは水平、と覚えておくと◎。

エアコンをつける前に新習慣「換気」をプラスして!

エアコンの操作以外でも節電につながる工夫があります。それは帰宅したらまず部屋の換気をすること。

Image: ダイキン工業

真夏に外出から帰宅すると暑さのあまりすぐにエアコンをつけたくなりますが、まずは窓を開けて、温度の高い空気を外に逃しましょう。

部屋に熱気がこもった状態でエアコンをつけると、その熱を冷やすためにエアコンがフル稼働となり、電気代がかさむ要因に。吹き出し口に結露が発生するリスクもあります。

この夏は「エアコン前にまず換気」を習慣にプラス! 窓は1カ所だけでなく、部屋の対角線上にある2カ所を開けるとより効果的。風の通り道を意識してみてください。

Image: ダイキン工業

通り道でもう1点重要なのは、室外機。空気の通り道を邪魔しないよう、カバーをかけたり周辺に物を置かないように注意してください。


エアコンは操作がシンプルなだけに正しい取り扱い方を意識する機会がなく、思い込みや古くからの習慣で判断しがち。今後迷った場合は、以下のポイントを意識するのがオススメです。

エアコン節電方法のポイントまとめ

  • エアコンの仕組み※・空気の特性を知る
  • 風の通り道を意識する
  • 涼しさの鍵となるのは体感温度

※エアコンの仕組みについてより詳しく知りたい方はこちらから。

今のうちから正しい知識を蓄え、今年の酷暑を賢く乗り切りましょう!

「室温は低いのにムシムシする」ダイキン工業が明かす体感温度を4℃下げる方法 | ライフハッカー・ジャパン https://www.lifehacker.jp/article/2307-humidity-control/

夏場の屋外駐車で「車内が暑くなりすぎる問題」を改善!すぐにできるクルマの暑さ対策5つ | ライフハッカー・ジャパン https://www.lifehacker.jp/article/2307-five-ways-to-keep-your-cars-interior-cooler/

朝の習慣にしてみて! クールリングは汗かきの強い味方だった【これ買ってよかった】 | ライフハッカー・ジャパン https://www.lifehacker.jp/article/2307-korekai-cool-ring/

Image / Source: ダイキン工業(1, 2, 3), Lawrence Berkeley National Laboratory