整理整頓ハックにはいろいろあり、それぞれに合う・合わないがありますが、誰にでも効果を発揮する整理整頓ハックも存在します。

自宅の一室や空間を本気で片づけたい、大改造したいと思っている人にぴったりなのが「ピーター・ウォルシュ・メソッド」です。

少々徹底したやり方ではありますが、自宅の空間の整理にきっと役立ってくれるはずです。

ピーター・ウォルシュ・メソッドとは?

整理整頓の達人であるピーター・ウォルシュ氏は、『どうしても片づけられないあなたへ:不要なモノを捨てて豊かに暮らすための簡単な方法』(邦訳:ソフトバンククリエイティブ)や『Enough Already!: Clearing Mental Clutter to Become the Best You(もうたくさん! メンタルなガラクタを捨ててベストな自分になる)』をはじめとする自著のなかで、整理整頓に関するヒントやコツをいろいろ伝授してくれています。

アメリカでは10年ほど前に、『Enough Already!』のコンセプトをベースにしたテレビ番組(『Extreme Clutter』)もつくられました。

ウォルシュ氏が、散らかった家の有害さをさまざまな家族に認識させ、その解決に力を貸すというリアリティー番組です。

この番組でウォルシュ氏は、5つのステップからなるシステムを使いました。その狙いは、物で散らかっていることだけでなく、そうした物が覆い尽くしている空間に対するその人の考え方をも変えることです。

というわけで、最初のステップは、その空間全体をからっぽにして、散らかっていなければその空間がどんなな風になりうるのかというビジョンを描くことでした。

ある研究が示しているように、散らかりとウェルビーイングは強くつながっていて、双方向に作用しあっています。考えてみてください。ガラクタでいっぱいの散らかった部屋にいれば、気が滅入るのは当然です。そして、頭のなかがそんなネガティブな状態なら、片づける気など起きるわけがありません。

だからこそ、その空間が少しの努力でどんなふうに変わり得るのか、力強くポジティブなビジョンを描くことが、ウォルシュ・メソッドの重要な最初のステップなのです。

ウォルシュ・メソッドの5つのステップ

この「アグレッシブな整理整頓術」を実行するときは、次の5つのステップを踏みます。

1. その空間をからっぽにする

文字どおり、何もかもを片づけます。キッチンを片づけるのなら、キッチンの物すべてをゴミ箱に入れ、そのゴミ箱をダイニングルームに置いておきます。

片付けようとしている部屋が広すぎて、物が多すぎる場合は、スペースを小分けにして作業しましょう。ベッドルームなら、一度に全部の物を出さずに、まずはクローゼット、次はオープンスペース、デスクといった具合に、これらのステップをひとつずつ行なっていきます。

まずは場所を選んで決め、そこを片づけることからはじめるようにしましょう。

2. その空間のビジョンを描き、目的を設定する。

たとえばキッチンなら、もっと頻繁に料理をしたくなるよう十分なスペースを設けつつ、調理器具のために十分な収納スペースを確保することが、ビジョンと目的になるかもしれません。

クローゼットの場合は、もっと効率よく着替えられるよう、服やアクセサリーを見渡しやすくすることをビジョンにしてもいいでしょう。その空間に何を求めるのかを自問して、そこで暮らす自分の姿を思い描くのです。

3. 取り除いた物すべてを、2つのカテゴリーに分ける。

つくるのは、「ビジョン」の山と「処分」の山の2つです。

ビジョンと目的に合っている物は、手元に残します。合っていない物は、捨てるか、寄付するかします。

ステップ2で目的を設定するポイントは、取り組むべき具体的な課題を自分に課すことです。この目的に従って行動しましょう。

4. 不必要な物を取り除く。

「処分」の山を確認して、寄付する物を選びます。それ以外は、捨てるかリサイクルに回します。ためらったり、ほかの場所に保管したりしてはいけません。

ウォルシュ氏が明言しているように、処分を先延ばしにしたところで、いっそう散らかるだけです。

寄付に回す分は、車のトランクに入れるか、玄関のそばに置いておき、ゴミ袋は外へ出しましょう。そうしておけば、ずっとそのままにしておくわけにはいかなくなります。

5. 手元に残しておきたい物の置き場を、改めて考える。

「ビジョン」の山にある物をすべて部屋に戻し、それらをその空間の目的に合わせて並べます。

場合によっては、棚用の収納ラックや、扉に引っ掛けるドアハンガーなど、実用的な収納グッズを取り入れてもいいでしょう。空間の整理整頓に本気で取り組むときのもっとも重要なポイントのひとつは、手元に残しておく物すべてについて、置き場所を決めることです。

確かに、ウォルシュ氏のアプローチは、ほかのものよりもちょっと徹底しています。何しろ、その空間を丸ごと片づけて、空間の使い方を考え直すわけですから。

しかし、その作業の中心に「理想のビジョン」を据えれば、整理整頓がしやすくなるだけではありません。

空間を理想的なかたちで使い出したあとも、整理整頓された状態をキープしやすくなるのです。

部屋が片付く5つの断捨離メソッド。モノが捨てられない人の「ためこみ癖」を改善するには?  | ライフハッカー・ジャパン https://www.lifehacker.jp/article/2402-matome-methods-for-cleaning-up/

先延ばし癖がある人にオススメの考え方「ゼロデイ」とは? | ライフハッカー・ジャパン https://www.lifehacker.jp/article/2404-get-rid-of-zero-days-to-be-more-productive/

Source:sciencedirect, Amazon(1, 2, 3, 4 )