ペット不可の共同住宅で餌をもらっていた猫兄妹

こまちちゃんは3匹兄妹のうちの1匹。あるペット不可の共同住宅のベランダでごはんをもらっていたが、ご近所トラブルになってしまい、猫の愛護団体NPO法人ねこけん千葉支部に保護された。もうみんな大人猫だったという。

幸せのカギしっぽ持ちの三毛猫こまちちゃん。ピンクのお鼻に明るめの茶色多めの美猫だが、人が近づくとイカ耳になってしまう子だった。

「いつもボラさんに『こまち、お耳は〜??』と言われてました。とても怖がりさんで、3匹の中でも一番の引っ込み思案。いつも兄猫の利平を盾にして隠れていました。」

ところが、先に利平くんがお家修行に行ってしまい、姉猫ぽろたんも譲渡会デビューを果たした。過去には、先輩のミケさんやサビさんも、デレデレ甘々ではなかったがとても優しい家族が見つかっている。

「こまちもとっても可愛いし、素敵な模様だし、頑張ってみない」とボランティアたちは思っていた。

大人猫こまちちゃん、譲渡会デビュー

猫の仲間たちとは仲良くできるこまちちゃん。次第にボランティアにも慣れて甘えるようになったという。日に日に表情が和らぐこまちちゃん。イカ耳になることも少なくなり、ついに譲渡会デビューを果たした。

担当者は言う。「大人猫は、お外生活している時に人から追いやられたり、怖い思いをしてきた子も多く、たくさんの人から見られる慣れない場所での譲渡会はとても緊張します。『あらあら、震えてて怖がってるわよ』『呼吸が荒いのにかわいそう』という声もありますが、大人猫は、まずは存在を知っていただかないことには、いつまでたってもケージ生活です。自由にのびのびとした行動が出来ないままになってしまいます」

繊細な猫の場合、体調や様子を見ながら譲渡会に参加させている。

「ちょっぴり距離を置きつつ、『こんにちは』『怖くないよ』と優しい言葉やまなざしを送っていただけたら嬉しいです」

(まいどなニュース特約・渡辺 陽)