富士山がコンビニエンスストアの上に乗ったような構図の写真を撮ろうと外国人観光客が殺到し、撮影スポットに黒い幕を設置した山梨県富士河口湖町。外国人観光客や地元住民の安全を最優先にした対策で、「マナーが良ければこんなことにはならないのに」「幕の設置は美しくない」など声が聞かれます。オーバーツーリズム(観光公害)をめぐるこの難問、洒落っ気に満ちたこんな解決策はいかがでしょうか。

「近隣の方々に迷惑をかけないように持ち運べるローソンを作りました」。コメントとともに「富士山&ローソン」の写真を投稿したのは現代美術二等兵ふじわらかつひと(@f2touhey)さん。このポストには4万近いいいねが付きました。奇抜な発想を披露したふじわらかつひとさんに聞きました。

ーーこれさえあればどこでも「富士山&ローソン」ですね。写真はどこで

「話題になっているローソンが河口湖の近くだったので河口湖へ向かいました。河口湖をぐるっと回って写真が撮れそうなところを探しました」

ーー持ち運びローソンのサイズ感は

「鉄道模型の建物ですので横幅12センチくらいでしょうか。スケールでいうと1/150スケールになります」

ーー今回のオーバーツーリズムについて

「この問題は各地で起きていて、今回の富士河口湖町の騒動も地元ではいろいろな手を尽くした上での、苦渋の決断で黒幕設置になったのだと思います。景観が良すぎて隠さないといけないというのはどうにもモヤモヤします」

持ち運びローソンについては看板照明を点灯でき、夜の雰囲気も醸し出せます。Xでは「売れますよ」「ナイスアイデアですね!」「なんという発想力」「これなら誰にも迷惑かからないでいいやつ!」「ファミマもお願いします!」「違うそうじゃない過ぎて笑わせて頂きました」などの称賛の声が寄せられています。

駄美術としてゆるい作品を創作

現代美術二等兵とは、籠谷シェーンさん・ふじわらかつひとさんからなるアートユニットです。作品は共同でひとつのものを作るのではなく、それぞれが制作し、 展覧会時に持ち寄るソロ二人組み形式。現代美術にクスッと笑えるスパイスを加えた作品を制作しています。

制作費、完成度にこだわらず、見る人が肩の力を抜いて楽しめる作品として、“駄美術”を提唱。お菓子の世界に高級な洋菓子や和菓子とともに、その対極に親しみやすくだれもが楽しめる“駄菓子があるように、美術界にも”駄美術”があっていいのではと命名しました。絵画、彫刻、写真などジャンルは不問の脱力エンターテインメントを表現しています。

(まいどなニュース・竹内 章)