岩手県北上市にあるアクセサリーや皮製品などが揃う「リアスハンドメイド・haruゆな」は、その名の通り県内の「てしごと作家」の作品を中心に展示・販売している。
販売している商品の多くは沿岸部の作家の作品で被災地と内陸の絆をつないでいる。

リアスハンドメイド・haruゆな 佐々木由美子さん
「作人は作家の皆さんの個性があふれてます。宮城県気仙沼市の『和と小物ばばば』や、私が身に着けているネックレスは、ジャックと豆の木の物語に出てくる本物の豆を使用しています」

Q:本当の天然素材なんですか
リアスハンドメイド・haruゆな 佐々木由美子さん
「そうです。他にもハスの実を使った小物は、とても味のある作品になっています。また、宮古市のCo.monoさんが作った水引が少し入っているブローチはジーンズの生地にボタンを目に仕立てたものです」

Q:水引はアクセサリーに使うイメージがなかったが…
リアスハンドメイド・haruゆな 佐々木由美子さん
「お祝いのご祝儀袋などが代表的ですが、そういうものを取り入れてオリジナリティーがあふれています」
「宮古市田老のumineさんの作品は、私が今身に着けているアワビの貝殻のイヤリングで、三陸アワビを使用していてアワビの貝殻の独特な光を放っています。沿岸をアピールできる作品になっています」

リアスハンドメイド・haruゆなのオーナー・中山勝英さんは、山田町で建設会社を経営。
東日本大震災を経験し、復興の後押しになればと北上市に店を開いた。

リアスハンドメイド・haruゆな オーナー・中山勝英さん
「店長がハンドメイドをやっていたので、ハンドメイド作家さんたちの事も分かってきた。震災から13年経って忘れたわけではないが、まだ大変な部分が多々ある。もし(沿岸在住の)作家たちに協力できるのなら北上にハンドメイドショップをやるということで始まった」

“被災地の状況を継続的に発信したい”
その思いからリアスハンドメイド・haruゆなでは沿岸部の作家の作品を数多く取り揃えている。

リアスハンドメイド・haruゆな オーナー・中山勝英さん
「来た人が喜んでもらえる店。ものづくりのすばらしさを皆さんに伝えたいというのが一番だと思う」

現在、県内ではハンドメイド作品を扱うイベントも多く、またSNSやホームページで自らの作品を発表し、直接売買をする作家も増えてきている。
そんな中、敢えて店舗という形をとるのには特別な思いがあった。

リアスハンドメイド・haruゆな 佐々木由美子さん
「お客様と一対一で作品の良さを伝えられる。(ハンドメイドの作品が)何でできているかとか作る工程も伝えると作品の良さがお客さまに伝わるのを感じる。店でやっていると特にそう思います」

どこで、どんな人が、どんな思いで作ったのか。
できたものだけではなくその過程に価値を見出すハンドメイドは、作品に込められた物語も伝わってくる。

Q:今後この店をもっとこうしていきたいという展望はありますか
リアスハンドメイド・haruゆな 佐々木由美子さん
「より多くのお客さまに足を運んでいただけるようにワークショップの開催などもたくさん行っていきたいと思っています」

Q:伝えられたらいいなと思うことは
リアスハンドメイド・haruゆな 佐々木由美子さん
「ハンドメイドの良さをお客さまにも伝えて、私の自宅がある山田町をもっと皆さんに知ってほしい。沿岸の作家たちを応援する意味でも、たくさん作品を運びたい」

世界に一つしかない自分の価値観を満足させてくれるもの。そしてぬくもりを感じさせてくれるもの。
「リアスハンドメイド・ハルユナ」は作品がつなぐ絆をより深く感じられる場所だ。