渋谷駅西口地下歩道が7月21日に開通する。国土交通省が同1日に発表した。(シブヤ経済新聞)

 渋谷駅西口・整備イメージ図

 国道246号線で分断される桜丘エリアと渋谷駅周辺エリアを地下でつなぐ新通路。同日には、JR渋谷駅「新南改札」が既存の新南改札から北寄りの線路頭上に移転し、初電から供用を始める。地下通路は、西口バスターミナルを挟んだ複合施設「渋谷フクラス」(東急プラザ渋谷)ともつながるT字状で、2020年に完成したロの字形の「西口デッキ」と共に、街の利便性や回遊性の向上を見込む。

 駅周辺に新たな動線が加わる流れの一環で、4日後の同25日に、商業ゾーンのテナントを一斉オープンするのが、渋谷駅桜丘口地区再開発で昨年10月に完成した大型複合施設「Shibuya Sakura Stage(渋谷サクラステージ)」。渋谷サクラステージ完成に伴い、昨年12月にはJR線の線路上空を東西方向に横断する「(仮称)北自由通路」もすでに開通しており、同通路は駅東側の高層複合施設「渋谷ストリーム」と3階部分でつながっている。

 新たに開通する西口地下歩道は、渋谷駅舎側の地上階出入り口をはじめ、渋谷サクラステージ・渋谷フクラスとも直結。縦軸の動線「アーバンコア」と連携することで、「天候に左右されない安全・快適な歩行者空間」(国交省)を作る。2020年9月に開通した、駅舎と渋谷フクラス・渋谷マークシティなどを結ぶ「渋谷フクラス接続デッキ」も合わせ、デッキでの南北・東西移動も確保することでさらなる回遊性向上を目指す。

 西口地下歩道の開通と同時に、周辺街区の整備に伴い、同日から渋谷駅舎内などの通路や歩道が一部通行止めになる。国道246から西口バスターミナルに沿って駅舎内を抜ける構内の通路が通行止めになるほか、246の駅側の高架下の歩道と、そこから西口デッキにつながる階段も使用停止となる。

 地下通路開通は、国交省が渋谷駅周辺のアクセス・利便性の向上やバリアフリー化を目指し、周辺の大規模再開発と連携して進める基盤整備事業の一環。西口エリアの新動線の整備は、「渋谷ストリーム」「渋谷スクランブルスクエア(東棟)」の再開発事業と並んで進めた渋谷駅東口エリアのデッキや地下道の整備に続いて着手。渋谷の谷地形をフラットにつなぐ多層での歩行者動線で新たな歩行者ネットワークの形成を目指す。