2024年4月25日、ホンダの人気コンパクトSUV「ヴェゼル」のマイナーチェンジが実施されました。3つのグレード設定、それぞれにお勧めのポイントあり。ということで、今回はそのなかでも最上級仕様に位置付けられる「e:HEV Z PLaYパッケージ」について、詳しくご紹介します。

アクセントカラーがレッドからブルーに変わってより精悍な印象に

今回ご紹介する「PLaY」は「e:HEV Z」をベースに、専用の内外装デザインが施されているほか、PLaYでしか装着できないレアアイテムなどが用意されます。上級グレード+αということで、すなわちヴェゼルの最上級グレードに位置するモデルです。

と、マイナーチェンジ前にヴェゼルのグレード構成をご存知の方は少し戸惑うことでしょう。というのも、従来用意されていたPLaYというと、装備は「Z」ベースながらも、なぜかいくつかの装備がZから省かれており「PLaYを選びたいけど、Zには用意されている装備がないなんて・・・」というジレンマに襲われたかたも少なくないはずです。

今回のPLaYはそれを解決してきたことが大きなトピックとなります。従来と何が変わったのか、今からそれを中心に、Zグレードとの違いも合わせて解説していきます。

PLaYのエクステリアは、まずアクセントカラーがパッションレッドからライトブルーへ変更されたことが大きな変更点です。従来のPLaYはドアロアーガーニッシュにレッド加飾が施されていましたが、こちらがブルーになりました。ずいぶんと印象が変わりましたね。

またフロントグリル内に配された特徴的なカラーバーオーナメントは、従来がホワイト/ブルー/レッドのトリコロールカラーが採用されていたうえ、それぞれがグリルに平行して3本あしらわれていました。一方新型のPLaYでは、ホワイトブルー/ライトブルー/オレンジにカラーリングが変更され、その加飾が1本で繋がるように配されました。

そのほかPLaYで特徴的な2トーンルーフは、新たに3色のニューカラーをお迎えするにあたりリフレッシュされ、ブラックルーフが3色から、シルバールーフが2色から選択できるようになりました。今回実際に確認することができた「シーベットブルー・パール」と呼ばれる新色はホンダの他モデルにはない色なので非常に新鮮な雰囲気を感じました。

このように新しいPLaYのエクステリアは、従来のレッド基調のポップで明るい印象から、ブルー基調の精悍でクールな印象になったことで「最上級グレード」としての存在感を高めた気がします。

ちなみにフロントライトは今回の改良に合わせて、従来Zグレードにのみ採用されていた「オートレベリング機構」がPLaYにも装着されたり、右左折の際に目指す方向を照らしてくれる「LEDアクティブコーナリングライト」も装備されたのは朗報です。

インテリアもブルーが輝くPLaY。ガラスルーフはオプション扱いに

続いてインテリアに目を向けると、エクステリア同様に鮮やかなライトブルーが目を惹きます。鮮やかすぎて「アンビエントライト!?」と思ってしまったほど。グレージュカラーの合成皮革「プライムスムース」とブラック色のファブリックが織りなす質感高きシートにも、ライトブルーのステッチが施されています。

ただ少し残念と思われたのが、従来のPLaYではステアリングホイールのステッチにオレンジの差し色が採用されていましたが、今回のPLaYは他のモデルと同じ仕様が使われています。といっても、ここにもライトブルーのステッチが入っていたら、少々やり過ぎ感があったかもしれませんので、逆に英断だったかもしれません。

他グレードとの違いを細かく見ていくと、ギアセレクター横のガーニッシュはZのシルバー塗装と異なりピアノブラック塗装になっています。このようなグレードに合わせて細かい違いが見受けられる「品質の良さ」を感じられるのはヴェゼルならではです。またPLaYの魅力のひとつに、車内の天井がブラックカラーになっていることが挙げられます。全体に包まれ感が増した印象で、最上級グレードとしての特別感も生まれます。

そして今回、装備が上級グレード「Z」と同じ装備内容になったことも新型PLaYの大きな特徴です。これまでなぜか採用されていなかった「左右独立温度コントロール式」のオートエアコンがついに備わったほか、オプション扱いだったトランクルームのパーセルカバー(トノカバー)が標準装備となりました。またかなり細かいですが、間欠ワイパーが雨滴検知式になったのも嬉しいポイントですね。

ちなみに、これまで標準で8スピーカーを装備していたPLaYですが、今回からZグレード同様に6スピーカー仕様になりました。具体的にはリアドアの上部に配備されていた部分が無くなりました。といっても、オプションでプレミアムオーディオを装着すれば10スピーカーを手に入れられますので、音響装備に気を遣われる方はぜひ装着をおすすめします。

こうした魅力あるPLaYですが、人気グレードだったうえ、従来ガラスルーフを標準装備していたことで供給不足が発生、納期の遅延が問題となっていました。そこで今回から、そのガラスルーフをPLaYのオプション設定とすることで、それを求める人だけ選択できるようになりました。個人的には是非ともつけたいところですが、このオプション化でどのくらい納期が縮められるかは要注目です。

最上級グレードとして憧れの存在になれると感じた新しいPLaY

さて、新型ヴェゼルの最上級グレードであるPLaYを本日はご紹介しました。実は今回からPLaYはパッケージオプション扱いとなっているので、正式なグレード名は「e:HEV Z PLaYパッケージ」です。つまり、あくまでベースはZで、そこにオシャレなエッセンスや特別感を演出した内外装デザインをみにまとったパッケージというわけです。

気になるPLaYの価格ですが、ベースとなるZに対して「35万7500円」高の355万6300円です。ただしこの価格差の中には、上記のお化粧代に加えてホンダコネクト対応のナビゲーションディスプレイやETC2.0車載器、さらにワイヤレス充電器がZに加えて標準装備されていることがポイントです。これ、27万5000円相当のオプションとなるので、実質の価格差は8万2500円となります。

この特別感あるエクステリア、オシャレなインテリアを考えるとずいぶん良心的な価格と認められます。自分なら、ここからさらにガラスルーフを足して、プレミアムオーディオを足して・・・と、ややもすると400万円に迫る価格、すなわちZR-Vを越す価格になってしまいます。なので決して手放しで誰にでもおすすめできる、とは言えないでしょう。

ただしこの高級仕立てのヴェゼル、最上級グレードとして憧れの存在になれるのではないでしょうか。頑張ってPLaYを選んだあかつきには、後悔の無い選択だったと思える満足感が待っている気がします。

●ホンダ ヴェゼル e:HEV ZPLaYパッケージ(FF)

●全長×全幅×全高:4340×1790×1590m
●ホイールベース:2610mm
●車両重量:1380kg
●エンジン:直4DOHC+モーター
●総排気量:1496cc
●最高出力:78kW(106ps)/6000−6400rpm
●最大トルク:127Nm/4500−5000rpm
●モーター最高出力:96kW(131ps)/4000−8000rpm
●モーター最大トルク:253Nm/0−3500rpm
●トランスミッション:電気式無段変速機
●駆動方式:FF
●燃料・タンク容量:レギュラー・40L
●WLTCモード燃費:25.3km/L
●タイヤサイズ:225/50R18
●車両価格(税込):355万6300円