石川県能登町で魚の養殖などを研究する金沢大学の施設が、地震により養殖していたフグが全滅するなど甚大な被害を受けました。こうした中、スナック菓子「ビーバー」で知られる金沢市の「北陸製菓」が、地震を乗り越えたフグを使い、新商品を開発しました。

MRO

能登町越坂にある金沢大学の研究施設「能登海洋水産センター」では、5年前から食の安全性向上を目的として「オーガニック養殖」の研究を行っていて、高級魚として知られるトラフグをはじめニジマスやヒラメなど多くの魚を養殖しています。

ところが養殖していたトラフグおよそ3千匹が全滅するなど、地震で大きな被害を受けました。

MRO

金沢大学能登海洋水産センター 松原創センター長
「取水管とかが壊れたり、酸素を送る管が断裂して、それで魚が酸欠で死んだのが一番大きな影響かなと思っています」
「卵から孵化させて4年かかったモノが全滅してしまいました」

こうした中、金沢市にある北陸製菓が奇跡的に冷凍保存されていた養殖フグを使って新商品を開発し、13日関係者が能登町役場を訪れました。

能登の青い海をイメージしたパッケージの揚げあられその名も「ふぐビーバー」。能登産のフグの粉末を使い、ふぐ刺し味に仕上がりました。

MRO

「ポン酢、もみじおろしの風味が広がりますね。これアルコールも進むようなビーバーじゃないかな?」

能登町 大森凡世町長
「復興していく上での一つの施策じゃないですけど、北陸製菓さんに動いてくれた。全国の人に能登のフグを知って頂く良い機会だと思います」

北陸製菓 高崎憲親社長
「より身近に全国の方が能登ふぐを感じてくれればとても嬉しいですし、これをきっかけに能登にいらっしゃる方が増えてくれたら嬉しい」

MRO

地震を乗り越えたフグが思わぬ形で商品化され、研究者も地震からの復興の励みなったようです。

金沢大学能登海洋水産センター 松原創センター長
「残っていた魚をこうして使って頂いて形になって良かったなと思います。新たに生産しはじめましたので、まだ時間はかかりますけど今後も美味しい魚を作っていきたい」

MRO

 

金沢大学能登海洋水産センターのトラフグを使った「ふぐビーバー」は5月20日から3か月限定で全国のスーパーなどで販売されます。

MRO