MRO NEWS DIGの担当が注目した「今年も?カメムシ大量発生!平年の286倍を観測した地点も」の記事を深掘りします。

熊本県では、県がカメムシの発生状況を調査したところ、平年の286倍にもなる1日で1万匹以上が捕獲されたほか、農業被害を防ぐために対策に追われる農家の様子などがRKK熊本放送で紹介されました。この他にも今月に入り宮崎県や関西など、JNN各局のNEWSDIGでは、カメムシに関する話題が多く見られています。

昨シーズンは多かった印象があるカメムシですが、石川県白山市にある県ふれあい昆虫館に県内の状況について訊ねましたが、「定量調査をしていないので大量発生しているかは分からないが、去年は秋から冬にかけて問い合わせが多かった」と話していました。そこで、NEWS DIG班は、応用昆虫学の研究者で石川県立大学の弘中満太郎准教授に今季の状況について聞きました。

害虫にも詳しい弘中准教授

害虫にも詳しい弘中准教授は「去年は例年に比べて多かった」としたうえで、「今年は暖冬で冬に死ぬ個体が少なかった」ことに加え、「4月が温暖だったことで、越冬で生き残ったカメムシが例年より早く外に出てきている」と説明してくれました。そして、「今年は例年より外でカメムシを見ることが多い印象だ」とも話しています。元々の数が多かったことに加え、暖冬で数多く生き残ったことでカメムシを多く見かける結果になったと言えます。

今年も大発生の恐れが…

また、県の農業試験場の担当者は、去年は5月第1週だけでも例年より5倍多いなど、例年以上の発生だったと話しています。

今年は調査中だけど…「安心できる状況ではない」

ただ、今年については調査中としながらも「相当数多い」として「安心できる状況ではない」と注意を呼び掛けています。

果物への被害に注意

弘中准教授や県の農業試験場では、6月から出荷が始まるモモやウメなどの果汁をカメムシが吸う被害が起きる可能性があるとして注意を呼びかけていました。