「特定利用空港・港湾」についてです。

政府が今月1日、総合的な防衛体制強化の一環として全国16の空港と、港を指定しました。県内は2か所の空港です。

それでは、指定されるとどう変わるのか確認していきます。

指定を受けた空港・港湾は自衛隊や海上保安庁が平時から、訓練などに円滑に使用できるようになります。

指定について政府は「戦後、最も厳しく複雑な安全保障環境を踏まえ、自衛隊・海上保安庁の能力を最大限発揮するため」としています。

いずれも民間の利用を主体とするのは維持され、自衛隊による使用は多くても年に数回程度とされています。

今年度は、約370億円の予算がついていて、必要に応じて滑走路の延長や岸壁の整備などが進められるということです。

この指定を受け、30日に県に対し、要請が行われました。

(市民団体)

「長崎空港と福江空港を許諾したことに、強い憤りを覚える」

要請を行ったのは、県平和運動センターなどです。

“長崎空港と福江空港は、民間空港で軍事空港ではない” などとして、特定利用空港の指定取り消しを国に求めるよう要望しました。

(県平和運動センター 米村 豊議長)

「平時から軍事訓練が実施されることにより、有事の際、相手国から軍事空港とみられ、攻撃の対象となり空港ばかりでなく、周辺住民が危険にさらされる」

長崎空港は国が、福江空港は県が管理しています。

県側は「先月、国から地元の大村市と五島市に説明があり、異論がない旨の確認を得た」と説明。

そのうえで「国の今年度の予算は、滑走路などの新たな整備ではなく、通常の維持や修繕費に使われる」と述べました。

県平和運動センターなどは、住民への説明がないなどと指摘していて、訓練内容や訓練で優先的に使用されることはあるかを尋ねる質問状も提出しています。