終盤に向かう春ドラマ。今のところ世帯視聴率でトップを走っているのは長谷川博己(47)主演のTBS日曜劇場「アンチヒーロー」で、それに続くのが木村拓哉(51)主演の「Believe―君にかける橋―」(テレビ朝日=木曜夜9時)だ。

「初回の世帯視聴率は『Believe』がわずかですが上回り、キムタクの面目躍如といったところでしたが、コア層(13〜49歳)の視聴率では『アンチヒーロー』に大きく水を開けられています。“開局65周年記念ドラマ”と銘打ったテレ朝としては、キムタク+天海祐希や竹内涼真など主演級のキャストを揃えただけに、せめて世帯視聴率では2ケタでフィニッシュしたいところでしょう」(広告代理店関係者)

 とはいえ、ネット上では《気楽なポジションの竹内涼真がオイシイ役どころ》《いろいろ無理があって半笑いで見てる》などなど“ビミョー”と評する声が多い。

 “旧ジャニ”のエース木村がビミョーなら、“辞めジャニ”のエース山下智久(39)主演の「ブルーモーメント」(フジテレビ=水曜夜10時)も、世帯視聴率は初回の8%台からじわじわ落としている。

 テレビコラムニストの亀井徳明氏は「木村さんも山下さんも数字を持っているスターなのは間違いありません」としながらも、「同クールに“旧ジャニ関連”が並ぶのはむしろアンチの批判を増幅やすい」と、こう続ける。

「1クールにどちらかだけだったら、希少性からもっと大事にされたかもしれません。でも“旧ジャニ”というだけで斜めに見てネット上でネガティブな意見をするアンチが多くなり、それを見た人が《じゃあ見なくていいか》となってしまう。結局、かつてキラキラしていた時代を追いかけていたコアなファンが付き合いで見続ける感じ。でも、その層も年齢を重ねて、若い頃と同じ気持ちでは見られず、ドラマの“粗”ばかりが気になってしまい……徐々に脱落していくのでしょう」

 キムタクの「Believe」も山Pの「ブルーモーメント」も、実績のある旧ジャニのスターならではの集客力はあっても、同時にハンデを抱えているということか。

「でも、そんなこととは関係なく、僕はこの2作を作品として楽しんでますよ」と、亀井氏はこうも言う。

「『Believe』の賀来千香子さん、『ブルーモーメント』の真矢ミキさんの存在です。賀来さんが都知事、真矢さんが総務大臣を演じているんですが、この“女帝”の2人に注目しています。特に賀来さんは腹黒そうな本気の政治家風メークが印象的で、第5話には出ていませんでしたが、次回以降の出番が楽しみ。真矢さんは普通の女優メークでしたが、安定の存在感。キーパーソンの1人になりそうですね」

 キムタクと山Pの苦境は、女帝感を漂わせる賀来と真矢の活躍で救うことができるか。