【桧山珠美 あれもこれも言わせて】

 今、テレビでひっぱりだこなのはZ世代、とりわけギャルタレントの活躍は目覚ましい。とっくにテレビを見なくなった若者に対し、なんとか振り向いてもらおうと必死のテレビ局。その間をつなぐ存在としてギャルタレントが重宝されている。

 テレビの情報番組では「Z世代が注目」などと注釈をつけて愚にもつかない話題を日々提供。テレビを見ているおじおばは素直なのでLINEで赤いビックリマークを使うのは「おじさん構文」と言われると二度と使わないようにしようと心に決め、涙ぐましいほどの努力をしているのだ。

 19日「行列のできる相談所」(日本テレビ系)のそんな一幕。テーマは「舘ひろし&柴田恭兵&仲村トオルに令和の新常識教えます」。スタッフの女性を〇〇ちゃんと下の名前で呼ぶ舘に対して令和の若者は職場では下の名前で呼ばれるのは嫌! とかなんとか。

 さらに、LINEのおじさん構文が嫌! ということで、赤いビックリマークや絵文字のキラキラやハートマークを多用するのも嫌! とか言いたい放題。挙げ句、文章の終わりに「。(マル)」をつけるのが嫌とかなんとか。

 と、その時、柴田恭兵が「ぼくはスマホ持たないから。スケジュールなどの連絡はファクス」と言ったのには驚いた。若者に媚びない潔さにアッパレ、だ。

 キモは「お風呂は1週間に1回」の話題。街角インタビューでそんなことを言う令和女子に対し、否定するのかと思ったら、ゲストのなにわ男子・高橋恭平も「そんな動いてない時とか汗かいてないし、入らない」と言い、ゆうちゃみも「バレへんし、いっか〜みたいな。いったん、香水振っとくみたいな」と証言。

 スタジオでもギャル芸人のエルフ荒川が「髪の色が落ちちゃうんですよ。シャンプーしたら染めた色が変わっていくから入ったらもったいないって思います」と。フワちゃんに至っては「風呂キャンセル界隈みたいな言葉あるんだよ」……。ところが、フット後藤が「じゃあ、おじさんも1週間入ってなくても大丈夫?」と聞くと「絶対イヤ」と全否定。なんとも身勝手。テレビが甘やかすからこんなことになったのではないか。

 もうひとつ驚愕したのが23日「イワクラと吉住の番組」(テレビ朝日系)。こちらは藤田ニコル&ゆうちゃみ&エルフ荒川がゲスト。「女の数々の疑問」というテーマで、にこるんが「性事情とか全部(母親に)言います」と言うと、あとの2人も同意。「どういう体位とかも全部言います」とゆうちゃみが言えば、にこるんも「初めてした日にLINEで『終わった』って言ったら、ディズニープリンセスのスタンプが送られてきて、プリンセスの仲間入りだねって」と笑いながら語っていた。

 令和の新常識に、ついていける人はどれくらいいるだろうか。

(桧山珠美/コラムニスト)